地球と冷蔵庫のため食品ロスと闘う母 デブはこうして作られる
どうも。ドラ母です。
私はいつも考えています。どうすれば食品ロスを減らせるのかと。
世界の食糧廃棄量は年間13億トン。
日本だけでも人口一人当たり年間51キロもの食品ロスを出している計算になるそうです。
恐ろしい…
私の体重より10キロちょっと少ないだけなので…ほぼ私。
それくらいの食品を、命を、無駄に捨ててしまっている現状をなんとか変えなくてはなりません。
世界を変えるのは難しい。ならば、まずは自分から。自分の家庭からは決して食品ロスは生み出さない!
そう決心した5年前から徹底して家族が残した食事は全て私が食べてきました。
米一粒、パンの一片、味噌汁一滴たりとも残すな!捨てるな!腐らせるな!をモットーに日々頑張って来ました。
おかげさまでうちの冷蔵庫はいつもスッキリすっからかん。
買って来た食材はなるべく早く調理するか冷凍するかにしています。
…が。
が!!
そうそう上手くはいきません。
夕方のただでさえ忙しい&子ども達のご機嫌がよろしくない時間に炊事をするのが大嫌いな私は午前中に夕食の準備をしてしまうのですが、ちょうど作り終えたところでよく連絡がくるんです。
親達から。
♪チリリリーン チリリリーン!
ドラ母「はーい」
実母「あ、もしもし?今日ハンバーグ作るから持って行くね。スープとサラダも作るから何もしなくていいよ。」
ドラ母「いいのー!?ありがとうー!」
多目に作った日や材料を安く大量買いした日などに、実母はよくうちに美味しい料理をお届けしてくれます。ばあばの料理が大好きなド偏食の長女いち姫のために。
コロナ以前はよく実家でご馳走になってたんですが今はそれができませんからね。
おかげ様でその夜は夏野菜スープ、スパゲティサラダ、和牛ミンチのハンバーグという豪華な食事にありつけた私達。
いち姫「ばあばのハンバーグ美味しいね!」
ドラ母「美味しいね!ばあばは料理上手やからね!いち姫ちゃん、スープも飲んでよ?スパゲティサラダも一口でいいから食べてみて。」
いち姫「う…スープ?これ、私の?いらない。スパゲティサラダ、マヨネーズかかってるから無理なんだー。」
ドラ母「一口だけ、なめるだけでもいいよ。」
いち姫「わかった…。う…。お腹いっぱい。ご馳走様でした。」
パパ「パパもご馳走様でした。」
ドラ母「えー!?パパ、スープおかわりは?」
パパ「え、もうお腹いっぱいやから。明日の朝食べるわ。」
こうして午前中に作った3日分はあるやろっていう量の味噌汁、豚が少ないほぼキムチな豚キムチ、マヨネーズたっぷりポテトサラダに加えて、夏野菜スープとスパゲティサラダの残りも次の日に回す事になりました。
明日は楽ちん♪ラッキー☆
そして料理を眠らせて2日目。
結局、朝にスープを温め忘れてトーストだけを食べた私達。
まぁいっか。また夜に食べたらいいやん。
♪チリリリーン チリリリーン!
ドラ母「はーい!」
姑「あ、ドラ母ちゃん?今家にいるか?」
ドラ母「おかあさん、こんにちはー!はい、います!」
姑「今な、新鮮な魚買ったからちょっと持って行くわー!」
新鮮な美味しい魚や肉なら食べる超偏食いち姫のために姑もよく食材や料理を届けてくれるのです。
ピンポーン!!
姑「ドラ母ちゃん、この魚、新鮮やから、今のうちに煮つけにしとき。あと、鶏肉も鶏ハムにしとき。」
ドラ母「わかりました。」
調味料も水も全てが目分量で作られた煮物でも新鮮な魚ならまぁまぁ美味しく仕上がります。
作り方がわからない鶏ハム用の胸肉は、こっそりと冷凍庫へ忍ばせて…。
持って来てくれるのは魚や肉だけではありません。いち姫がかろうじて食べられるシャインマスカットやスイカ、姑手作りの唐揚げやハンバーグなどなど、いち姫の好物も一緒に持って来てくれる優しい姑。
私達家族はなんて幸せなのでしょう。
またまたおかげ様で、その晩も魚の煮付け、唐揚げ、鳥ハンバーグと、前の晩の残り物(野菜スープとスパゲティサラダ)という豪華メニューを頂いた私達家族。
ドラ母「おばあちゃんの作ってくれた唐揚げと鳥ハンバーグ美味しいね!魚の煮付けも美味しいー!これはママが作ったのよ。」
いち姫「唐揚げとハンバーグ美味しい。魚は辛い。」
パパ「…ちょっと、辛いな。」
ドラ母「あ!ポテトサラダあったんや!今から出すわ。」
パパ「えー、いらんで。もうお腹いっぱい。明日食べよう。」
こうしてまた翌日に回されていくドラ母の手料理。
味も質も冷蔵庫の中でどんどん劣化していきます。
そして3日目。
さぁ、今夜こそ冷蔵庫で眠る我が家の定番メニューを頂きましょう!と意気込んでいた昼下がり。
また電話がなりました。
♪チリリリーン チリリリーン!
ドラ母「はーい!」
実母「今日ね、肉屋さんで豚カツが安く手に入ったのよー!!また届けるからねー!」
ドラ母「ありがとう!!やったー!」
実母「お味噌汁とサラダも作ったから一緒に届けるわー!」
ドラ母「いいのー!ありがとう!」
今夜こそ食べなければヤバい料理達と豚カツを比べると…
あぁ。豚カツの勝ち。
豚カツがいい!
仕方ない。アレは明日に回そう。
またまたまたまたおかげ様でご馳走を頂いた私達家族。
豚カツはあっという間になくなりましたがやっぱり残ってしまうサラダ。
まぁいい。アレとともに明日食べよう。
そして4日目。
ドラ母「ねー、パパ。朝ご飯はさー、ポテトサラダのオープンサンドにする?」
パパ「いいねー。」
やっと3日前に作ったポテサラを食す私達。
旦那は朝食ではパン派なので味噌汁やご飯は口にしません。
ちなみにいち姫も。
3日前に作った3日分の味噌汁、そろそろ飲まないとヤバいよな〜。そうだ、昼に飲もう。
♪チリリリーン チリリリーン
ドラ母「はーい!」
実母「もしもし?今コストコ行って来てね、ピザ買ったのよ。ランチにどう?」
ドラ母「えっ!?いいのー!?食ーべーるー!!」
美味いものにすぐ釣られてしまい先が見えなくなる私。
コストコ会員である実母のお裾分けじゃないとあのデカくて分厚いジューシーなピザにありつけません。
3日前の味噌汁とコストコピザを比べると…
あぁ、ごめん。
ピザの勝ち。
味噌汁は夜に一気に飲んでしまおう。
こうしてピザを美味しく頂き、味噌汁の入る余地なし。
その夜。
さすがに3日前の料理を5歳児に食べさせられないのでいち姫にはバジルのパスタとブロッコリーサラダを用意。0歳二太郎は離乳食。両親は残り物です。
だけど…味噌汁が…味噌汁の量が3日分。
今からチビチビ3日もかけて飲んでいては食品ロスを生み出す事になってしまう…。
でも大丈夫。そんな時にとっておきな裏ワザがあるんです。
うふふふ。
それはね。
どんぶりで味噌汁を一気飲み。
大丈夫ちゃーう!裏ワザでもなんでもないただの暴食!と思ったあなた。
大丈夫ですって。
別に本当に1分以内で一気飲みするわけじゃないですよ?
どんぶりで一食につき五食分飲むだけです。
(大丈夫ちゃうわい!)
パパ「うわー。味噌汁そんなに飲んで大丈夫?」
完全にデブを見る目つきの旦那。
ドラ母「大丈夫よ。味噌汁でお腹膨れて痩せられるわ。」
お腹が弱い旦那には過剰に食べさせられません。ここは私が頑張らねば。
パパ「ご馳走様でしたー。」
人がなかば溺れそうになりながら味噌汁を飲んでいる間、ゆっくり美味しく食事を終えた旦那。その前の大皿には散らばる豚キムチの残骸。サラダボウルには大量に残ったポテサラ。
ドラ母「えっ!?えっ!?ちょっと待って。ポテサラ残ってるやん。ちゃんと食べてよ。これ以上置いといたらさすがに腐るわ。ちょっと!豚キムチほとんど食べてるやん!私のちょっとしかないやんか!豚キムチほとんど食べてポテサラ残すって何よ!?」
肉食家族に立ち込める暗雲。
パパ「だってそんなに味噌汁飲んだら普通入らへんやろ?」
ドラ母「入るわ!味噌汁どんぶり一杯飲んだくらいで豚キムチが入らへんわけないやん。そんな女ちゃうよ私は。」
どんな女や。
ドラ母「腹立つわー!豚キムチ食べたかったのにー!いっつもいっつも肉料理はほぼ1人でたいらげるやん!サラダと味噌汁はちょっとしか食べへんくせに!私の事なんやと思ってんの!?」
パパ「フードファイター?」
黙れ!!
ちょっとは手伝え!!
なんという事でしょう。
食品ロス問題が家庭にまで悪影響を及ぼし始めました。
豚キムチを食べられた怒りを抑える事ができません。
パパ「ごめんな。ごめん。今度焼肉しよう?な?」
仕方ないな…。
悲しいくらい焼肉に弱い女。
ドラ母「…じゃあ、ポテサラ食べるわ。」
こうして食品ロスバスター女はサラダボウルに大量に残るポテサラをなんとか4分の1までに減らすミッションに成功。
ドラ母「ふー。お腹いっぱい。残りはまた明日オープンサンドにして食べよう。」
パパ「すごいな…。俺そんな大量に食べるとか無理やわ。味噌汁どんぶり一杯にポテサラをボウルのほとんどやで?ヤバいって。途中でお腹膨れへんの?」
ドラ母「授乳中やから底無しなだけや。みんなそうらしいよ。」
どこ情報やねん。
いち姫「ママー。お腹いっぱい。御馳走様でしたー。」
半分ずつ残されたバジルのパスタとブロッコリーサラダ。
大丈夫。これくらいはなんとかいける。
ガツガツガッツ。
パパ「マジで!?もうやめとき!」
ドラ母「大丈夫やってば!」
これ以上、食べ物を残したくない。味噌汁だってあとちょっと冷蔵庫に残ってるしサラダもまだある。シャインマスカットとスイカだってあるんやから!少しでも残り物を減らさなければ!!
ドラ母「ふーっ。ご馳走様でした。片付けするねー」
妊娠中のお腹周りがフラッシュバックするほどに動き辛いけど達成感が半端ない。
チラッと冷蔵庫を覗いて残り物をチェック。
よし。明日でフィニッシュやな。
そして5日目。
朝、昼の二食で残り物も全てたいらげこの上ない達成感の中でふと思いました。
またどっちかの親からお届けがあるかもしれないな。
今夜は何も作らずに待っておこう。
しかし…
シーン。
待てど暮らせど鳴らない電話。
まぁいいか。
ご飯と卵が余ってるから晩ご飯は卵雑炊にしよう。いち姫は食べへんからレトルトのカレー食べさせとこうっと。
その夜。
ちょっと作り過ぎてしまった卵雑炊を食べているとピンポーン!!
ひょっこり現れた実母。
実母「これ、鳥もも肉の照り焼き。たくさん作ったから食べて。」
レトルトカレーをすぐさまよけて照り焼きにがっつくいち姫。
ドラ母「いち姫ちゃん、カレーは?」
いち姫「いらん。お肉がいいもん。」
ドラ母「じゃあご飯は食べてよ。」
いち姫「カレーついてるから嫌。白ご飯だけがいい。」
やっぱり手作りには叶わないな。
ドラ母「はいはい。じゃあ白ご飯温めてくるわ。」
その後…
照り焼きは綺麗になくなりましたがカレーと雑炊、二太郎の離乳食が残っています。
ドラ母「…仕方ないな。食べてしまおう。」
パパ「えっ!?やめときーや!!食べ過ぎやって。ほんまにもうやめて。お願い。」
ドラ母「え?心配なん?病気にならへんか?」
パパ「それもそうやけど、すごいで。身体。見てごらん?冷蔵庫は綺麗やけどママはすごいで?特に腹と二の腕。プロレスラーみたいやで。」
いち姫「ママ、ほんまに太いで。」
……。
ドラ母「じゃ、じゃあ、明日から運動するわ。とりあえず、これは食べてしまうわ。」
すまない。愛する家族よ。
地球を救うため私は立ち向かう。
カーン!!
頭の中で鳴り響くゴング。試合はもう始まっている。家族に心配されながら、今日も私は食品ロスと戦っています。