うちのくだらない話

ポジティブに生きたい母の心の叫びを綴るブログ

【美容院漂流記】治らない天然パーマと夢見るアラフォー

どうも。ドラ母です。

 

私は天然パーマです。同じ天然パーマでも少しうねる程度のレベル1からまさにスチールウールのように収集が付かなくなるレベル10まであるのですが(自分調べ)、私のはなんとレベル10です。

 

梅雨の季節や汗をかいた時なんかは、熱々ご飯の上に置かれた鰹節のごとくうねうね踊るように宙に浮かんでいきます。天然パーマに重力なんて関係ありません。

 

大人になるにつれその天然パーマもマシになり、なんとかレベル5にまで持ってくることができましたがそれでも普通髪の人に比べればまだまだうねうねしています。

 

そんな髪質な上に後頭部は絶壁、顔はワイドなのでなかなかオシャレマダムになれずに困っています。

 

だから、こんな私の頭でも難なく今時のオシャレヘアーにしてくれる美容師さんをずっと探し続けているのです。ずっと。ずーっと。

 

**********

 

天然パーマとの腐れ縁は、小学4年生になったばかりのある朝に突然始まりました。

 

それまで栗色のロングストレートだった私は、顔はともかくその髪型のおかげで"モテそうな雰囲気"を醸し出していただけに、その衝撃はとてつもないものでした。

 

ドラ子「お母さん!髪の毛が!髪の毛が!爆発してる!絡まってまっすぐにならへん!」

 

こんなんじゃ学校行けへん!!

 

うろたえる娘に対し母親の反応は意外なものでした。

 

母親「あぁ、とうとう来たか。」

 

毎朝絡まる細毛におかしい、これは普通じゃないと思っていたそうです。

 

その上、母親は天然パーマの家系で遺伝だというのです。ちなみに父親は薄毛&細毛。この時まで知らなかった私はなんでこの家に生まれてしまったんだと、じたんだ踏みました。

 

母親の髪は綺麗にカールしていたので人工パーマなんだと思っていたら天然パーマで、私もそれを引き継いだワケなんですが何せ細毛なのでまとまらず髪の毛1本1本に意思があるかのように色んな方向へ向かっていました。

 

あぁ最悪…

 

仕方ないのでポニーテールで学校へ行きましたが季節は小春日和が続く頃。少し歩くと汗ばんで前から横からうなじからヤツらはうねうねと這い出して来ました。

 

「あれ?ドラ子ちゃんいつもと違うやん。どうしたん?」

 

はじめはこんな風にソフトだったクラスメイト達の質問も日が経つにつれだんだんとハードになっていきました。

 

「なぁなぁドラ子ちゃん。ちゃんと髪の毛とかしてきてるん?ぐちゃぐちゃやで。」

 

「なぁなぁドラ子ちゃん。家にブラシないの?」

 

「なぁなぁドラ子ちゃん、まさか家が家事になって頭燃えたん?」

 

…このように。

 

それまで栗色のストレートなロングヘアーをなびかせていたクラスメートの突然の変化に戸惑ったのでしょうね。当然の反応です。

 

だけどいちばん戸惑ったのは他でもないこの私です。天然パーマを病気だと思っていたので一刻も早く治そうと躍起になっていました。

 

そんなある日のこと。たまたま手にした"天然パーマに関する記事"で驚愕の真実を知らされます。

 

"天然パーマとは髪の毛だけが曲がっているのではありません。毛穴からすでに曲がっているのです。"

 

!!!!!!!!!!

 

け、け、け、け、毛穴から!?

 

じゃ、じゃあ、じゃあこれは、、、

 

これはもう治らないのか!?いや、治るはず。毛穴をひとつずつ真っ直ぐにする手術を受けよう。

 

「お母さん、毛穴をまっすぐにする手術受けたい。」

 

「ないわよ、そんなもの。諦めなさい。」

 

ウソやろ!?一生この髪の毛で生きて行くの!?

 

この時ほど自分の運命を呪った事はありません。

 

それからの毎日は爆発する自分の頭との闘いでした。

 

・母親に毎日編み込みにしてもらい少しでもヤツらがのさばる面積を減らす。

 

・汗をかかないよう極限まで薄着になる。

 

・緊張や興奮で汗ばまないよう常にクールを装う。

 

この3条件を死守するも無駄でした。

 

焼け石に水

 

いくら努力してもヤツらは這い出してきます。

 

ストレートパーマをかけたいと母親に懇願しましたが中学生になるまでダメだと言われました。カット以外は不良だと。なんでやねん。

 

おかげで小学生の間は目立って目立って通りすがりにまでクスクス笑われていました。

はじめは悔しかったんですがだんだん自分でも笑えてきて一緒に笑っていました。

するとよけいにからかわれるようになったんですが、おかげで相手を言い負かす口撃力を身につけて強くなりました。この力により今はめでたく鬼嫁の名を欲しいままにしています。

 

中学生になり念願のストレートパーマをかけに美容院へ行きましたが、そこでもまた驚愕の事実を知らされます。

 

「これほど酷い天然パーマはストレートパーマじゃ真っ直ぐになりません。縮毛矯正でないと。」

 

なんだそれ。

 

何!?3時間かかってロングはお値段3万円!?

 

ストレートパーマ代しかないよ…

 

仕方ないのでその日はストレートパーマに一縷の望みをかけましたが全く効果なし。

 

数ヶ月後、母親を拝み倒して縮毛矯正をかけに行きました。

 

すると…

なんと元のストレートヘアとは比べものにならないほど美しくサラサラになった私の髪。

それからは毎日がパラダイスでした。

 

だけどそんな夢のような時間は3ヶ月で終わりを告げました。新しい髪が曲がった毛穴から出てきたのです。

 

髪の毛に3万もしょっちゅう使えないと母親から禁止され、男に間違われそうなほど短髪にしてヤツらをピンで押さえつけ何とか乗り切った高校生活。

卒業して働き出してからやっと解禁された縮毛矯正。だけど何せ高額なので、"天然パーマが目立たない髪型"にしてもらうべく腕のいい美容師さん探しがスタートしました。

 

まず訪れたのは地元で有名だった大きな美容院。そこは美容師さんが何人もいておしゃれヘアにしてもらえる人気の美容院でした。

ここならなんとかしてもらえるはず。

期待満々で店に入ると美容師さんやアシスタントさん、若くおしゃれなお客さん達で活気に溢れていました。

 

「いらっしゃいませ〜!」

 

長い待ち時間を過ごし、髪のカウンセリングを受けてやっと鏡の前に到着。

その日の担当は明るく楽しい会話をしてくれるおしゃれな男性美容師さんでした。

 

「本当に天然パーマですね〜。でもこれね、素敵ですよ〜。これを活かした髪型にしたらいいと思いますよ〜。」

 

こんな爆発あたまを素敵なんて言ってくれたのはこの人が初めて。なんかいい予感がする。

 

どんな風にしてもらえるか楽しみで仕方ないワクワクがアシスタントさんの一言で一気に不安に変わりました。

 

「○○さん(担当美容師)、さっきのお客様が『こんなはずじゃなかったって』って泣いてはるんですよ。どうします?」

 

担当美容師さんは顔色を変え

 

「ちょっと…すみませんね〜」

 

と言って無理矢理作った笑顔を残して去って行きました。

 

怖い。このままじゃ私も泣きを見るハメになるかも…

 

何十分か経過してなんだかやつれたように見える美容師さんが戻って来ました。

 

「お待たせしました〜。さぁどんな髪型にしましょうか〜?」

 

私は即答しました。

 

「毛先を揃えるだけでいいです。」

 

一か八かの賭けに出る勇気が出ませんでした。

 

だめだ。この美容院にはもう来たくない。

 

そこで次に選んだのは雑誌に載っていた美容院。"頑固オヤジが長年の経験からあなたの髪の悩みを解決します"とかなんとか書いてあったのでワラにもすがる思いで頑固オヤジに会いに行きました。

 

個人経営の美容院なのでその時の客は私だけでした。店にいるのは想像より小柄な頑固オヤジと青い髪の女性アシスタントさんと私だけ。心なしか静まり返っています。

 

「結構強いクセやねー。これ、パーマをかけてみたらええんちゃうの?」

 

へっ?天然パーマの上からパーマ?

 

「意外に思うやろうけど、今はクセのせいでまとまりないけど、天然パーマの人ってパーマかけたら持ちがええのよ。綺麗にかかるし。だからまとまり出てええ感じになるけど、どう?短くして後ろをパーマにすんねん。」

 

あ、あぁ、ローマの休日のオードリーヘプバーンみたいな感じ…??

 

「じゃあ、それでお願いします。」

 

頑固オヤジの威圧感に押されてパーマをかけることになりました。

 

映画マニアの頭を巡る麗しいヘプバーン風の自分。うん。なかなかいい感じ。

 

髪をカットし流し終えたらアシスタントさんが1人で大量のカーラーを巻いてくれました。

 

パーマなんて予想外だけど、新しい自分に会えるかもしれない。

溢れる期待。止まらない妄想。その全てを打ち砕かれるとはこの時は思ってもみませんでした。

 

前髪以外を全てカールし終わったところで頑固オヤジが現れて言いました。

 

「おい!なんやこれ!?こんな仕事ワシは嫌いや!!なんやこれは!?」

 

え?どんな仕事?なんかミスしはったんかな…

 

って、え??2人とも私の後ろにいるやん。バッチリ鏡にうつってる。

 

こんな仕事って私の髪の毛でどんな仕事したんやな。

 

「あかんで、これは。自分、もうそろそろちゃんとせなあかんで、ほんまに。」

 

くどくどキレる頑固オヤジ。

 

あぁ、失敗しはったんか。やり直しに時間かかんのかなー。嫌やなー。まぁ、仕方ないな。誰にでもミスはある…

 

「次からは気をつけろよ。」

 

え!!?次からは!?

 

「はい。すみませんでした。」

 

え、ちょっと…。え。このまま?

 

固唾を飲んでその後を見守っていましたがやり直しなどなされず。

 

ブローが終わったところで思い切って聞いてみました。

 

「あの…さっきなんか、パーマの事言ってませんでした?やり直ししなくていいんですか?」

 

「え?あぁ!大丈夫大丈夫!イケてるで。」

 

ほんまかいな。

 

「ほら」

 

と見せられた後頭部は、見事に絶壁が目立った絶壁を活かしたパーマになっていました。

 

ヘプバーンではなくクレオパトラ

 

アシスタントさんの顔色がなんだか青く見えました。

 

だめだ。ここももう二度とごめんだ…。

 

私は諦めました。高くてもいい。次からは縮毛矯正一択で行こう!

こうして次に選んだのは女性美容師さんがアシスタントもつけずにこじんまり経営してる美容院。

ここには長い間通って縮毛矯正をかけ続けましたが、ある日そこの女性美容師さんに言われました。

 

「もう今はストレートヘア流行ってませんからパーマはどうですか?」

 

と。

 

いや、流行りに乗りたいんじゃないんです。ストレートが好きだし楽だし変な冒険するより失敗がないんです。

 

と力説したもののやたらとパーマを押され、結局パーマにして帰りました。

 

縮毛矯正してくださいって予約入れたのに。

 

だめだ。ここもやめよう。

 

その間に結婚、出産して髪質が変わったのか、"前と横だけ濡れたら縮れるだけ"のレベル5にまで収まっていました。

 

長女いち姫のイヤイヤ期が落ち着いてから久しぶりに髪を整えたくなり、母親が通っている美容院に行く事にしました。

 

そこは優しい男性美容師さんにアシスタントさんが3人もついているなかなか広い美容院でした。

縮毛矯正したかったのですが、いち姫の面倒を母親に見てもらっている間なのでカットだけ。

 

この美容師さんのカットが素晴らしく、縮毛矯正せずとも満足がいくおしゃれヘアにしてくれたのです。

 

最っ高!!!

 

これからはずっとここに通い続けよう。

 

そして長男二太郎を出産間近、産後の手間を減らそうと髪をバッサリ切ってもらう事にしました。

 

「ドライヤーしたくないんで短いショートヘアでお願いします。ドライヤーしなくても天然パーマでも爆発しない髪型でお願いします。」

 

私の無理難題に美容師さんはかなり考えこんでいました。

そして

 

「この髪質であまり短く切ると結構まとまりつかない可能性が高いんですけど…。一か八かやってみましょう!!大丈夫かもしれないんで!」

 

一か八か?

大丈夫かも?

 

「産後は忙しいですもんねー!髪の毛に構ってる暇ないですよね!あ、そうだ!オムツ替えの時に前髪落ちて来たら邪魔になると思うんで前髪もバッサリ行っときますね!!」

 

前髪もバッサリ。

 

これらの発言に一抹の不安を覚えはしましたが、美容師さんの過敏性腸症候群の話を親身になって聞いているうちにいつしか不安も吹っ飛んでいました。

 

「できましたー!こんな感じでいかがでしょうか?」

 

鏡を見ると少年アシベがそこにいました。

 

私のイメージでは吉瀬美智子さんのようになっているはずでした。

 

なのに…。

 

想像してみてください。

 

絶壁で、ワイドなお顔で、臨月で、76キロで、アラフォー。

 

そんな私の髪型が少年アシベ

 

しかもアシベより更に短い前髪。

 

もう髪の毛が生えてるというより乗ってる。

 

頭の上に乗ってる。

 

アラフォーのデブはアシベみたいに可愛くなれない。

 

吉瀬美智子からは程遠く"肝っ玉母さん"がピッタリ。

 

ないんです。もう。そこまでいったらもう、アレンジのしようがない。

サイドなんて耳にもかけられない。

 

帰ってからの家族の反応は…

 

爆笑の嵐。

 

入院中の髪は…

 

大爆発。

 

一か八かの賭けに負けたのです。

 

オールアップ。全てが、かろうじて残された短い前髪までもが、天まで届け!とばかりに上へ上へと上がっていました。

 

出産入院中に髪をセットする余裕がなく、太めのゴムのヘアバンドで抑えていましたが、私の頭が大きすぎてすぐに外れ、頭の上に乗っかっていました。まるで天使の輪のように。

 

お医者さんや助産師さん達の視線がよく頭の上にいっていたのはホルモンバランスの乱れによる被害妄想なんかじゃありません。

 

「ママをこんな頭にした人嫌い。前のママがいい。」

 

娘もショックだったようです。

 

 

 

以上の事があってから、美容院へ行くのがとても怖くなってしまいました。

 

だけどきっといつかは見つかると信じています。

 

私の髪質や頭の形や顔の大きさを上手く隠しながらおしゃれヘアにしてくれる最高の美容師さんが。

 

信じていれば、きっと叶う。

 

この言葉を胸におしゃれヘアなおしゃれマダムになれる日を毎日夢見ている私です。

 

今日もくだらない話を読んで頂きありがとうございます。

 

それではまた。