うちのくだらない話

ポジティブに生きたい母の心の叫びを綴るブログ

全然休めない俺の休日〜前編〜

AM7:30   起床

長女いち姫が俺の布団に潜り込んで来る。

 

「パパ、今日ずーっと一緒に遊べるね。」

 

耳元で囁く娘の言葉が恐ろしくてたまらない。

 

だってまだ7時半だぞ。

 

日曜日なのになんでそんなに早起きなんだ?

 

パパは寝不足だからもうちょっと寝かせておくれよ、なんてお願いが通じる歳じゃない。まだ6歳だ。

 

深夜2時までスマホゲームに没頭していた自分が恨めしい。

お前のせいで愛娘からの誘いを喜べないでいるんだぞ。

お前のせいでたった5時間しか眠れなかったんだぞ。せっかくの休みだというのに。

 

お、いち姫が1人LEGOで遊び出した。

よし。今のうちに寝ておこう。LEGOに夢中だ。また呼ばれた時に遊んでやろう。

 

 

AM8:00  2回目の起床

バタン!!

部屋のドアを激しく叩き開けながら嫁が入って来る。

心無しか鼻息が荒い。

 

「ちょっとパパ!!いつまで寝てるん!?早く起きて!トイレ行きたいんやから二太郎見てて!」

 

「はい!」

 

切羽詰まった嫁の様子に思わず焦って飛び起きる。

なんだここは。軍隊か。

 

おいおい。

いつまで寝てるってまだ8時だぞ?

 

しかも今日は日曜日。

毎日働いてるんだから日曜日くらいはゆっくり寝かせておくれよ、なんてお願いが通じる嫁じゃない。鬼嫁だ。

 

ここでうっかり眠いだの寝不足だなどと言ってしまえばブチ切れてくる。

 

「なんやって!?私は夜泣きやら授乳やらトイレやらで毎日何回起きてるか知ってるん!?5回よ、5回!昨日なんか6回よ!?どっちが寝不足やと思ってんのよ!?」

 

よく毎晩毎晩何回起きたか数えてられるな、なんて言えば1週間はピリピリするからもちろん黙っておく。

 

いち姫が生まれてからずっと、1人別室で寝ている俺に必要以上にキツい嫁。

 

寝付きが悪く眠りが浅い子ども達が起きる度に1人で対応してるんだもんな。

確かに、そこは申し訳ない。

 

だけど俺は眠りが浅い。子どもの寝言ですら目が覚めるのに、産後酷くなった嫁のイビキに耐えられない。嫁曰く俺のイビキも相当らしいが嫁ほどじゃないはずだ。

 

とにかく俺は誰かと一緒に寝るのが苦手だ。

 

だから起きる。

 

働き詰めでも、ゲーム三昧で寝不足でも、日曜日でも、俺は起きる。

 

体に鞭打って。

 

それが家庭円満の秘訣だから。

 

 

AM8:15  コーヒーの準備

洗濯機をセットしてコーヒーを淹れる。

もちろん嫁の分もだ。

 

嫁「パパ、目玉焼き何個食べる?」

 

俺「2個。ありがとう。朝ごはんは何?」

 

嫁「目玉焼きトースト。」

 

コーヒーの香りで部屋を満たすと寝不足嫁のイライラが収まる。

 

なんだかカフェにいる気分になるんだそうだ。

 

そんな事でキミが笑ってくれるなら、いくらでもコーヒーを淹れてあげるよ。

 

キミが笑ってくれるなら。

 

いち姫「ママー!私が卵割るー!」

 

二太郎「ママ。ママ。ママ。ママ。」

 

朝から子ども達は嫁の後を追い回す。

 

だがここで、あんまり追い回されると大変だな、なんて傍観者でいる事は許されない。

 

朝食作りに片付けに身支度に、やる事が山のように積み重なってる嫁を自由にさせてやらねばならない。でないとまたブチ切れられる。

 

だが…

 

「二太郎、こっちにおいで。パパと遊ぼう。」

 

全力で首を横に振り、俺の手を払いのける二太郎。

こうなるとどうしていいのかわからない。

 

お手上げだ。

 

そうだ。トイレに行こう。少しもよおしてきた。

こもってる間に朝食ができてるだろう。

 

 

AM8:30  朝食

嫁の機嫌が悪い。

 

ヤバい。トイレにこもりすぎたか。

中でほんのちょっとゲームをしたのがバレたのか。

まさかな。

 

トイレから出るとテーブルに朝食が並んでいた。

 

いち姫はプリキュアに夢中になりながら1人で黙々とピーナツバターサンドを食べている。

 

二太郎はそこら中に牛乳を撒き散らし、トーストなんかパンがゆになっている。

 

そりゃそうだろう。そもそもコップに入れる牛乳の量をもっと減らしておけばいいだけの話だ。

そしたらこんなに散らからなくて済むのに…なんて、もちろん言わない。

 

見ざる言わざる聞かざるを決め込む。もちろん、家庭円満の為だ。

 

嫁「いやー!二太郎くん牛乳で遊ばんといて!」

 

いち姫「うわっ!二太郎が牛乳かけて来たー!やめてよ!何すんねん!」

 

ジョイントマットが乳臭い。

 

朝から大惨事だ。あーあ。

 

だけど嫁は笑っている。ご機嫌が治ったようだ。

 

そうだ。嫁の機嫌がいいうちに今日のスケジュールを立てなくては。

 

俺「昼ごはんは何?」

 

みるみるうちに嫁の表情が引き攣り出す。

ヤバい。なんでだ?

 

急いでマグカップにコーヒーを入れて真っ先に嫁の元へと運ぶ。

 

嫁「ありがとう。」

 

笑わないまま礼を言う嫁。

 

しまった。朝から昼ごはんのメニューを聞いたのが地雷だったか。

 

とりあえず朝食を食べよう…って、あっ!

嫁の分の朝食がない。

二太郎がまとわりついて用意出来なかったのか?

 

俺「ママの分無いやんか。パン焼いて来ようか?」

 

嫁「ありがとう」

 

よしよし。ポイントゲット。

よく気付いてくれたねと言わんばかりに嫁が微笑んでいる。

俺って本当にデキるヤツ。

 

俺「はい、どうぞ」

 

嫁「ありがとう」

 

うん、これでヨシ。ゆっくり朝食を食べよう。

 

バタートーストと目玉焼きとコーヒー。デザートには姑が作ったティラミス。

 

最高。

 

休みの日はこうしてゆっくり朝食を楽しめるから気分が良い。

 

 

AM9:00  片付け

嫁の機嫌が悪い。

 

しまった。ゆっくり食べすぎた。

 

嫁はずっと二太郎に食べさせ、食べこぼしを掃除し、せかせか動いてゆっくり食べられていない。

 

ここは洗い物でもしてご機嫌を取らねば。

 

あ、洗濯も干しておこう。

 

AM9:30   俺のおかげ

嫁がいつまでも食べ終わらない。

 

朝食プレートは空だ。デザートのティラミスもたいらげた。

なのにまだチョコだのクラッカーだの引っ張り出しては食べている。

 

クラッカーにはマーガリンまで塗っている。

 

俺「すごいカロリーやな。」

 

しまった。うっかり口が滑った。

 

嫁「え、何か言った?」

 

俺「ううん。何でもない。」

 

セーーーーーーフ。

 

いつもならここで「授乳中やのに寝不足やから食べなぶっ倒れんねん!何か文句あんの!?」くらいは言い返される。

 

そんな時でも、俺はもちろん黙って聞き流す。無駄な争いはごめんだ。

 

うちが家庭円満なのは俺が仏の心で嫁のイライラを受け流してるおかげだと思う。マジで。

 

 

AM10:00   女心は秋の空

ようやく 嫁が重いケツを上げて部屋を片付け出す。

 

その頃には2回目の洗濯物も干し終えている俺。

 

休日だというのに働き過ぎな俺。

 

ちょっとは感謝しろよ?なーんて。

 

嫁「ありがとう。パパ。」

 

嫁は鬼だが素直だ。

いつだって素直に感謝して悪いと思ったら素直に謝ってくれる。

 

だけど休日に家事をしてもあまり嬉しそうではない。お礼は言うのに。

 

なぜだろう。

 

子ども達の世話で忙しいから八つ当たりなのか。

 

それとももっと家事をしろという催促なのか。

 

女心はわからない。

 

 

AM10:30  いち姫のピアノ練習

二太郎のご機嫌が悪い。

 

嫁の後をついて回っては泣き喚く二太郎。

観念した嫁は二太郎を抱っこしながらいち姫のピアノの練習に付き合っている。

 

いち姫は最近特にピアノに夢中だ。

 

そんないち姫の練習に付き合っている嫁はピアノが弾けない。それでも必死に付き合っている。

 

俺には無理だ。ドレミファソラの次がシって最近知ったくらいに音楽には疎い。

 

難しすぎるだろ。こんな事、ピアノ習ってなけりゃ普通は習わない。

 

嫁にはバカにされるけど。

 

だからピアノに関しては嫁に丸投げだ。

 

…なんて考えながらピアノ練習を黙って眺めていると、暴れる二太郎をなだめながら練習に付き合う嫁の表情がみるみるうちに険しくなった。

 

しまった。うっかり傍観者になっていた。

 

「二太郎、パパと遊ぼう。こっちにおいで。」

 

全力で俺を拒否する二太郎。

 

どうしていいかわからない俺。

 

そうだ。トイレに行こう。本日2回目の蠕動運動が始まった。

 

 

AM11:30   二太郎の昼寝

嫁の機嫌が悪い。

 

俺がトイレから出てからずっとだ。

 

ちょっと時間をかけすぎたか。

 

ピアノの練習を終えてご機嫌ないち姫とは対照的に、二太郎は強烈に機嫌が悪い。

 

嫁曰く寝ぐずりだそうだ。

 

全てをイヤだと拒否している。

 

嫁から片時も離れない。

 

散々喚き倒した挙句に授乳中コテンと眠った。

これで嫁も少しはゆっくりできるだろう。

 

俺はしばらく、いち姫と遊んでいよう。

 

 

PM0:30  昼食

二太郎が昼寝から目覚めると同時に動き出す嫁。

 

なんでも昼寝中ずっと添い乳していたらしい。大変だ。ゆっくりなんて出来なかったようだ。

 

だけど俺もずっといち姫と遊んでいた。ゆっくりなんてしていない。

 

大変なのはお互い様だ。

 

今日の昼食はペペロンチーノ。いち姫のリクエストだ。

 

二太郎はミートスパゲティ。

 

嫁は昨日の残りの味噌汁をすすっている。

 

相変わらず二太郎は食事をこぼしまくり嫁は大変そうだが、嬉しそうに笑っている。

 

ご機嫌だ。よし。午後からどこへ行こうか。早くスケジュールを立てなければ。

 

俺「晩ごはんは何?」

 

みるみるうちに釣り上がる嫁の目尻。

 

しまった。またやってしまった。

急いで質問を変えよう。

 

俺「今日はどこに行く?植物園でも行こうか?」

 

嫁がこっちを見た。かすかに笑っている。

 

自然が好きな嫁のお気に召した様だ。良かった。

 

嫁「わかった。じゃあ急いで片付けるわ。」

 

そう言って嫁は子ども達の食べ残しを食べ始めた。

 

PM1:00  嫁の小言

「いいよねパパは。いつも出来たてばっかり食べて。いっつもいっつも私1人で残飯処理やん。」

 

おっと。しまった。

 

嫁の機嫌がまた悪い。

 

子ども達の残りを嫁に任せたのが地雷だったようだ。

 

俺「ごめんごめん。残り食べるわ。」

 

急いで皿に目をやると空っぽだ。

 

食べ終わってから言うなよ。

 

そうだ。洗い物をしよう。嫁はお茶で濡れた二太郎の着替えで手が離せない。

 

洗い物を終えた頃、また嫁の小言が始まった。

 

嫁「家事はしなくていいから自分の部屋片付けてよ、パパ。」

 

休みの度に部屋を片付けろと言う嫁。

 

洗い物終わってから言うなよ。

 

散らかってたっていいじゃないか別に。

俺の部屋だぞ。なんて言えない。

 

俺「わかった。夜寝る前に片付けるわ。」

 

嫁「ウソばっかり!」

 

俺「ほんまやって。約束する。信じて。」

 

大丈夫。今夜こそキミの望み通り部屋を片付けるよ。だから笑って。

 

その為には子ども達を早く寝かせなければ。

 

とりあえず早く植物園に行って子ども達を疲れさせて帰ったらお風呂に入れて…

 

完璧なスケジュールを立てなければ。

 

俺「晩ごはんは鍋焼きうどんでどう?」

 

嫁「…はぁ。とりあえず出かけよう。」

 

うん?どうした?

鍋焼きうどんなら作るのも片付けるのも簡単なはずなのに。俺は作った事は無いけれど。

 

まぁいい。

 

とりあえず植物園へレッツゴー。

 

 

〜後編へ続く〜

 

今日もくだらない話を聞いていただきありがとうございました。

 

それでは、また♪