無口で天然な旦那へのイライラ対処法
子どもから
「ねぇ、パパ。しりとりしよう?"み"からな。はい、パパからどうぞ。」
だなんて可愛いすぎる誘いを受けた旦那が、
「うーん」
と考えこんだ挙げ句に
「みかん」
と返し、一発で終了させるそのマヌケさに笑えなくなって早3週間。
結婚相手を間違えたと本気で悩む今日この頃です。
最近私は娘の小学校入学準備やらママ友付き合いやら息子のイヤイヤ期やらで少々忙しくしておりまして心の余裕を無くしておりますので、多分それが原因なんだとは思うのです。
だけどね、塵も積もれば山となると言いますか、例え塵ほどの小さなアホ発言でも積み重なり過ぎるとホトホト疲れて返事するのすら嫌になって、あぁ、なんでこの人と結婚したんだろうかと、そんな極端なところにまで考えが及んでしまいます。
ほぼ毎日ね。
以前は結婚したら自動的にお互いを支え合うパートナーになるもんだと信じてたんですが、どうも旦那との歯車が噛み合わない。
交際期間を含めてかれこれ15年一緒にいるというのに、私達夫婦の間には以心伝心や暗黙の了解、阿吽の呼吸などと言ったパートナーならではのテレパシー的なものが皆無です。
長年連れ添っている熟年夫婦に憧れている私は、できれば彼らのように互いの心が手に取るようにわかってどんな時でも痒いところをかいてあげられる、旦那とはそんな関係になりたいのです。
なのに無口な旦那が何を考えてるのか未だにわからないし、漬物好きだって知ったのはほんの1年前のこと。
対して、喜怒哀楽が激しく、娘から「ママは一度喋り出したらずっと喋り続けてる」と言われるほどに言葉を発し過ぎてる私の心は、旦那には手に取るようにわかっているそうです。
まぁそうでしょうね。
おはようから始まりお休みまでずっと思った事を口に出し、例えスーパーで1歳息子と二人きりでも「いやぁ!このお肉めっちゃ安いやん!え、オージービーフ?いいやんこれ!今日は牛丼にしちゃおうか二太郎くん!あれ、豚はもっと安い!そりゃそうか!あははは!やっぱり豚丼にしようか二太郎くん!」などと、相手さえいれば(姑以外)ひたすら喋くり倒しているのだから、通りすがりの赤の他人でも私の考えてる事くらいわかるのです。
だからいつも旦那に言うんです。
口に出して。って。
あなたが思ってる事、感じてる事を口に出してって。
すると旦那は必ずこう言います。
「そんなん言わんでもわかるやろ。体で示してるし。」と。
いやわからんわ。全然わからんわ。
体でとかヘンな意味に聞こえますよ?
愛妻の手料理の感想を求めても、
「え、ほんまに言ってもいいの?
…美味しい。」
どういう意味やねん。
例え夫婦であっても、自分の気持ちをちゃんと言葉にして相手に伝えるのってすごく大切だと思うんですけどね。
いくら求めてもそこをサボりまくる旦那。
旦那の無口は今に始まった事じゃなく、出会った頃からです。
むしろそこに惚れました。(どないやねん)
無口だからこそ、その言葉には真実しかないと信じていたので。
だけど生活を共にする中で、どうやらこの男は喋らないんじゃなく喋れないんじゃないのかと思うようになりました。
ボキャブラリーが乏しすぎて。
そう考えると辻褄が合います。
以前こんな事がありました。
改装したばかりの行きつけのスーパーに寄った帰り、1人トイレを利用した旦那に聞きました。
「ねぇ、トイレも改装されて綺麗になった?前はトイレ汚かったやん?」
旦那はうーんと考えこみました。
「綺麗…やったかなー?」
さんざん考えこんだ挙げ句の返答に私は大いにイライラしました。
だって改装されてたか改装されてないかくらい考えなくてもわかるでしょ。トイレに入ったんだから。
「そんなに綺麗ではなかったかなー。」
でもまぁいいんです。
きっと改装されてたけど綺麗ではなかった、って事でしょうから。
「改装されてたんかなー?」
いやそこわからんのかい。
しょっちゅう使ってたのに変化したかどうかわからんのかいな。
「うーん。どうやったかなー。」
これ以上こんな会話が続くのは耐えられないので言いました。
「もういいよ。」
なのに旦那はまだまだ考えこんでいます。
「うーん。綺麗…ではなかったな。」
はいはい。
綺麗じゃなかったのね。改装もされてないのかもね。
「消毒液が置いてなかったから。」
へっ!?
トイレが改装されて綺麗になってたかの質問の答えが消毒液がなかったから綺麗じゃなかった?
どういう意味やねん。
「じゃあ改装されてなかったんやね。」
さっさとこの負のループから抜け出したい私が会話を切り上げようとしたら
「いや、改装はされてたで。」
はぁ!?
「消毒液がなかったからイマイチやけど。」
私は返事をしませんでした。
ってな感じのやり取りが、うちでは日常茶飯事なのですが、普段はそんな旦那を面白い人だな、と家族みんなで何よそれー!?なんて言って笑って盛り上がってます。
だけど私に余裕がないとただイライラの種になるばかり。
ボキャブラリーの乏しい天然が何を喋ってるのかさっぱりわからなくて。
あぁこんな事でイライラしちゃいけないとわかるのにイライラしてしまう。
だから呪文のように自分に言い聞かせるのです。
仕方ないやろって。
旦那は悪気ないんやから。
優しくて真面目でいい人やんかって。
会話が噛み合わないくらい屁でもないやろって。
そうしてなんとか気持ちが落ち着いて来た頃、また娘が可愛いく旦那に絡んで行きました。
「ねぇ、パパ。しりとりしよう?"や"からな。はい、パパからどうぞ。」
メロメロに目尻を下げた旦那が自信満々に答えます。
「やかん」
次は娘がブチ切れていました。
娘は最近そんな父親の様子を見てこんな事を言うようになってしまいました。
「パパってアホなん?」
もちろん私は全力で否定します。
「まさか。パパはアホじゃないよ。」
娘は信じません。
「本当に?本当にアホじゃない?」
「違うよ。パパは家族を笑わせてくれる天才やねん。」
妻子のやり取りを他人事のように聞いてる旦那は、やはり天才なんだと思います。
そう考えるとイライラもおさまって来るのです。
というわけでうちの旦那は無意識に人を笑わせる天才です、と自分に暗示をかけています。
そうすることでむしろ尊敬の念すら生まれて笑顔になれます。
そうとは知らない旦那は幸せそうです。
そして私もなんだかんだ言いながらも結局こうして楽しんでいます。
「俺と結婚できて良かったな。」
「…そうですね。」
今日もくだらない話を最後まで聞いて頂いてありがとうございました。
それでは、また🎵