うちのくだらない話

ポジティブに生きたい母の心の叫びを綴るブログ

鶏やがな豚やがな 忘れられない鶏肉エピソード

こんにちは。ドラ母です。

 

我が家は肉料理が大好きです。

 

特に牛肉が好きなんですがお財布の事情で鶏肉をよく食べます。

 

唐揚げ、照り焼き、ガーリック炒め…何したって最高に美味しいですよね!

 

お給料前にはその鶏肉も肉の塊りでなくミンチに変わります。

お財布の事情です…

 

さて今日はこの鶏肉を食べる時にいつも思い出してしまうエピソードを紹介したいと思います。

 

 

 

**********

 

 

 

独身時代、私はとある観光地の老舗土産物店で働いていました。

 

観光シーズンになると特に忙しくなり夜まで客足が絶えず、帰路に着けるのは22時頃でした。

 

仕事は主に接客業なので従業員は4班(1班3〜4人ずつ)に分かれて食事をとっていました。

 

ある夜のこと。

私はベテランの松田さん(女性当時50代)、堀田さん(男性当時40代)と3人で店から出された¥1,000の豪華弁当を食べていました。

 

その日は近所の中華料理店の弁当でメニューは豚肉とにんにくの芽の炒め物、酢クラゲ、野菜の中華炒め、後は鶏肉を使った何か名前のわからないメニューでした。

 

一日中接客していて立ちっぱなし。

夕食までの休憩時間が1時間弱でフラフラ&ペコペコ。

 

松田さんと私は夢中で食べてましたが堀田さんはなかなか食べようとしません。

 

堀田さんは大の鶏肉嫌い。

 

毎回弁当に鶏肉が入っていないか血眼になって探しています。

 

自称鶏肉アレルギーで鶏肉を食べると体調不良になるという彼の好物は鶏ガラスープのラーメンです。

 

堀田さん「なぁ、これ、豚か鶏かどっちや?」

 

松田さん「豚やがな。」

 

松田さんが即答しました。

 

今食べている自分の弁当から1秒たりとも目を逸らさずに。

 

堀田さん「え?これどう見たって鶏やろ?」

 

松田さん「豚やがな。」

 

相変わらず自分の弁当に目を落としたまま食べ続ける松田さん。

向かいに座る堀田さんをちらりとも見ません。

 

私も松田さんと同じく無我夢中で食べてましたが、しつこいのでチラッと堀田さんを見てみると…

 

なんと堀田さんも自分の弁当から一切目を逸らさずに質問しています。

 

箸で鶏肉料理を指しながら…

 

堀田さん「ほんまにこれ豚か〜?どう見ても鶏に見えるんやけどな〜」

 

松田さん「豚やがな。」

 

一切トーンを変えず返事する松田さんは豚肉料理に夢中です。

 

堀田さん「ほんまかいな。鶏に見えるんやけどな〜」

 

松田さん「豚やがな。」

 

互いをちらりとも見ようとしない2人。

 

だんだん笑えてきたドラ母。 

 

どう見たって堀田さんの言うのは鶏肉です。

人にいちいち聞くまでもなく一目瞭然。

 

ヤバイ…

 

今この場で真実を知るのは私だけ。

 

教えてあげようか

 

それとも。。。

 

突如始まったこのコントをこのまま見届けようか

 

迷ったあげく後者を選びました。

 

なんてやつ。教えてあげろよ。

 

すみません。若気の至りです。

 

今ならさっさと教えてあげ…

…ると思います。はい。

 

 

堀田さん「ほんまかいな。まっちゃん(松田さんの愛称)、あんたちゃんと見てるか?これは鶏やろ?」

 

まっちゃん「何言うてんのやさっきから。こんなん豚に決まってるやろ。さっさと食べおしな(食べなさいな)」

 

しつこい堀田さんにだんだんイライラしてきたまっちゃん。

 

堀田さん「ほ、ほな食べるわ。ほんまに食べるで〜!ほんまに大丈夫かいな。」

 

まっちゃん「はよ食べおしな。」

 

堀田さん「ほんなら…」

 

パクっ!!

 

食べたー!!

 

鶏肉いったー!

 

大嫌いな鶏肉!

さすがに口に入れたら彼もわかるはず。

 

 

堀田さん「うん、こりゃ豚やな。なかなかうまいわ。」

 

これを洗脳と言うのでしょうか。

 

まっちゃん「そやろ。」

 

堀田さん「うん。うん。うまいうまい。」

 

遅れを取り戻すようにすごい勢いで食べ進める堀田さん。

 

そこでまっちゃんが最後に残しておいた鶏肉料理に手を付けました。

 

そして…

 

まっちゃん「あー、これも美味しいな。この鶏肉。」

 

堀田さん「えっ!?なんやて?」

 

まっちゃん「この鶏肉美味しいなって。」

 

食事中一度も目を上げずに食べ進めているまっちゃん。

 

ここで初めて顔を上げた堀田さんはすでにほとんど食べ終わっているのでまっちゃんの言う鶏肉がどれなのか、まっちゃんの弁当を見て確認していました。

身を乗り出して。

 

堀田さん「ま、まっちゃん!あんたさっき、それ豚やって言ったやんか!」

 

まっちゃん「あー、あんたこれの事言ってたんかいな。こんなん鶏に決まってるやろ。」

 

冷たく言い放つまっちゃん。

 

堀田さん「うわー!食べてしまった!鶏肉食べてしまった!うわー。どうしよう。まっちゃん〜」

 

まっちゃん「知らんがな」

 

どこまでも冷たいまっちゃん。

 

まっちゃん「でもあんた、おかげで鶏肉食べられたやんか。良かったな。」

 

やっと堀田さんを見たまっちゃん。

 

放心状態の堀田さん。

 

笑いをこらえきれず走って休憩室を後にするドラ母。

 

ショックを受けた堀田さんが休憩前よりドッと疲れているように見えたのが印象的です。

 

しかし嫌いな鶏肉を一晩だけでも克服できて本当に良かったです。

 

 

 

もう10年以上も前の事ですが鶏肉(特にもも肉)を食べる度に思い出してニヤニヤしてしまう私を見て、旦那は「キモいで」と言いますがやめられません。

 

私だけの良い思い出です。