タクシー運転手さんに濡れ衣を着せられた話
どうも。ドラ母です。
前回 ⬇️
とは打って変わって、何してくれんねん!?と目をひん剥くほどの対応をしてくれたタクシー運転手さんのお話です。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
それは独身時代、母と2人で駅に行く為に乗ったタクシーの車内で起こりました。
そのタクシーの運転手さんは、とても気さくな楽しい方でたくさん話しをしてくれました。
途中までは。
何の話をしていたのかはすっかり忘れてしまいましたが、どうでもいい内容だった事は確かです。
もうちょっと運転に集中してくれへんかなーと思うくらいにテンション上げて喋りまくる運転手さん。
私達が行き先を告げてからずっと陽気に話し続けてくれていたのに、突然黙り込みました。
うん?どうしたのかな。
こちらから話しかけても返事はありません。
道に迷ってるわけじゃないのに何だろう。
隣の母も不思議そうにしています。
まぁ、運転に集中してくれる方が安心だから、と私達も黙り込みました。
目的地まであと少し。
急に静まり返った車内で、運転席の人が何やら不自然な動きを始めました。
運転中なのにモゾモゾゴソゴソ。
やたらと下半身を動かしています。
母は気付いていません。
おいおい大丈夫か、この人。
むっちゃ動くやん。
下半身をくねらせながらちゃんと運転できるものなのか、ペーパードライバーの私は不安でたまりませんでした。
そして、次の瞬間。
車内に腐った卵より10倍強烈なにおいが立ち込めました。
やりやがったな!!
臭い!臭すぎる!密室で何すんねん!
「えっ!?くさっ。ちょっと…」
窓の外を見ていた母もさすがに気付きました。
そして、
「ちょっと!もう…恥ずかしい子やわ〜」
と小声で言いながら私を見て来ました。
えっ!?
完全に私を疑っています。
違う、違うよ!
違う。私じゃないってば。
私のはここまで臭くないやんか!
必死に目配せしますが母は気付きません。
そうこうしているうちにスーッと運転席の窓が半分開きました。
「大丈夫ですか〜?」
軽い感じで聞いてくる運転手さん。
何が大丈夫や。大丈夫ちゃうわ。息苦しいわ。
母「ごめんなさいね〜」
運転手「いえいえ。」
何が"いえいえ"や。
…って、え?
いえいえ?
ちょっと待って?
この人、まさか!?
私に濡れ衣着せてる!?
小声でも狭い車内では聞こえたはずの母の声。
うそやろ!?
腹立つ!!オナラは生理現象やから出るのは仕方ないにしてもやな!
黙ってんのを良い事に人のせいにするとは!
よし!言ってやる!私じゃないってハッキリ言ってやる!!
換気のおかげでやっとにおいが消えた頃、込み上げる怒りを抑え切れなくなった私が身の潔白を晴らそうとしたその時、
なぜか運転席の窓が全開になりました。
そして次の瞬間。
くっさ!!
さっきより強烈なにおいが車内に充満しました。
くさい。臭すぎる。
窓が開いているのに何という威力!!
それは一瞬にして私の戦意を消滅させてしまうほどでした。
「ちょっと、いい加減にしなさい!」
笑いを堪えながら小声で私に注意する母。
違うってば。これはどう考えても私のにおいじゃないやんか。ねぇ、お母さん、わかるでしょ。
逃れられない臭いに意識が遠くなりかけた頃、やっと目的地に着きました。
運転手「はい。着きましたー。ありがとうございましたー。」
心なしかスッキリしたように見える運転手さんは満面の笑みで振り返りました。
そして
運転手「あ、これ、良かったら…ほんの気持ちです。」
とアメ玉を2つくれました。
いらんわ。
…とは言えず、
私「あ、ありがとうございます。」
と頂きましたが、ズボンのポケットから取り出されたソレを食べたのかどうか記憶にありません。
音も無く忍び寄る悪臭から逃げるようにタクシーを降りた私はフラフラでした。
吐きそう。なんで他人のオナラをあんなに吸い込まなあかんねん。
降りてすぐに母に言いました。
私「さっきの、運転手さんのオナラやし!」
母「えっ!?」
我が子のオナラだと思って余裕こいてた母の顔色が急激に青ざめました。
母「オエッ。」
タクシー運転手さん、本当に大変な仕事ですよね。
そりゃ、突然オナラしたい時もお腹痛くなる時もありますよね。
仕方ないです。
あの頃は若気の至りでついつい腹を立ててしまいましたが、もしまたタクシーで同じ目にあったら…
黙ってます。安心してください。
あ、でも、窓は全席全開でお願いします。
例え冬でも、そこだけはよろしくお願い申し上げます。
今日もくだらない話を聞いて頂きありがとうございました。
それでは、また♪