うちのくだらない話

ポジティブに生きたい母の心の叫びを綴るブログ

育児なんて楽勝だと思ってた私がガッツリ産後うつになった話

どうも。ドラ母です。

 

いち姫を出産し、ようやく母になる夢を叶えた私は、いわゆる産後ハイに陥っていました。

 

いち姫はとにかくよく泣く赤ちゃんで、オムツを替えても、ミルクを飲んでも、添い乳しても泣き止まない。

 

新生児はよく眠るものだと思っていたのに、全く眠らない。

 

帝王切開の傷が痛むのと寝不足なのとで藁にもすがる思いで新生児ルームに預けても、「ミルクはさっきあげましたけど、何しても赤ちゃんがずっと泣いてるんです。どうしましょう?ミルクを足していいですか。」と看護師さんから連絡が入るほど。

 

そんなん知らんよ。ミルクを足していいのか悪いのかわかりませんよ。素人やで?

 

やっぱり私でないと守ってやれない。

 

たった1度預けてからは新生児ルームを頼ることなく、疲れた体を産後ハイのアドレナリンで奮い立たせて抱き続けました。

 

部屋ではなく、ひんやりと涼しい廊下で抱っこしながらゆらゆら揺れていないと寝てくれないいち姫。

 

泣き止ませないと他の妊産婦さんに迷惑かけると思って夜中から朝までずっと廊下を歩き続けました。

 

産後の入院中、早くも体はもうボロボロでした。

 

けれどそこは産後ハイ。

 

アドレナリンパワーで興奮しまくっていたので体の辛さなんて気になりませんでした。

 

逆に元気モリモリ。と思ってました。

 

やっとやっと胸に抱けた私の子。

絶対に離すものか。

何があっても守り抜く。

例えお腹の傷がパックリ開こうとも。

 

武士かよ。

 

強い決意を胸に目をギラギラさせ薄笑いを浮かべながら夜の廊下を歩き続けていました。

 

夜中の暗い廊下でヒタヒタヒタヒタ…

 

1度、すれ違った男性が飛び上がるほどにびっくりされてました。

 

大丈夫ですか、すみません、と言う代わりにニヤリと微笑んで見せましたら急いで目を逸らしてらっしゃいました。照れちゃって。

 

毎晩毎晩ヒタヒタヒタヒタ。

 

怖いわ。

 

家族も一緒に泊まれるはずの産院で、なんで旦那がいてくれなかったかというとですね、

 

なぜか産後すぐに旦那が胃腸風邪を発症したので帰ってもらったんです。

 

赤ちゃんにうつったら大変なんで。

 

いちばん頼りにしてた時に全く役に立たなかった旦那。

 

だから1人で頑張ろうと思ってしまいました。

 

この時ちゃんと新生児ルームに預けてしっかり眠ってたら良かったのに。

 

退院したら実家に帰れる。

きっと優しい両親と回復した旦那が子どもの面倒を見てくれる。

だからそれまでの辛抱だ。

 

その考えが甘かったんです。

 

例え泣き喚いている赤ちゃんでも身内なら可愛いくてたくさん抱っこしてくれると思ってた、その間にたくさん眠れると思ってた、その考えが。

 

退院をゴールだと思い込み、傷が痛くても寝てなくても頑張って耐え抜こうと。

我が子のために全てを捧げて頑張る自分は素晴らしい母親なんだと、ただただ自己陶酔してました。

 

気持ち悪いヤツやな。

 

寝てくれない。眠れない。って、誰にも相談せずに。

 

あの頃の自分にビシっと言ってやりたいです。

 

子どもを守りたいならまずは寝なさい。

睡眠第一!

 

ナポレオンじゃないんやからさー、ほぼ徹夜で子ども育てるなんて無理なのよー。

自己犠牲が母親の美学じゃないんだからさー。

なりふり構わず周りに助けを求めるのも親の務めやで?アホちゃうか?ってね。

 

 

そして退院後、実家に帰りました。

回復した旦那と共に。

 

実家での生活は、私の想像とは全く違いました。

 

昼夜問わず泣き喚くいち姫をみんな可愛い可愛いと言ってくれたけど、誰も抱いてくれない。

 

ずっと泣いてて、少し小さめに生まれたいち姫は、すぐに壊れてしまいそうなほど儚げでした。

 

だから怖いんだと。

 

みんな少し抱いては私に返して来ました。

 

「やっぱり母親じゃないとダメなんだ」

 

そう言いながら。

 

私が抱いても泣いてるのに。

 

まだ誰が母親かなんてわかってないのに。

 

旦那に至っては、「怖い」「俺は仕事がある」「うるさくて眠れへん」

そう言うだけ。

 

仕事から帰ってもいち姫に声もかけないし、あやしてもくれなくなりました。

 

挙げ句の果てにヤツは「疲れて帰ってもずっと泣いてばっかりいられたら辛いわ。」

と犠牲者面する始末。

 

今なら、

 

おい!もう1回言ってみろ!!ふざけんな!

 

くらいは言い返すんですが、当時は良妻賢母を目指していたのでしおらしく謝りました。

 

「ごめんね。私のせいやね。いつも仕事頑張ってくれてるのに。ごめんね。ゆっくりしてて。」

 

 

これがダメでした。

 

私のこの甘い態度が旦那をアホにしたのです。

 

嫁がフラフラでも全く気にならず、夜更かししてゲームして休みの日は昼まで寝てる。

 

子どもなんて抱くわけないやん。だって小さいし。怖いし。俺が抱くと泣かれるから。落としたら怖いやん?母親なら絶対落とさへんし、何があっても本能で子どもを守るから、任せとけばいいねん。俺の仕事は金を稼ぐ事だけや。休みの日はガッツリ休ませてもらうで〜。

 

当時の旦那の言い分。絵に描いたアホ。ブラボー。

 

いち姫は外が好きだったので、夜中になるとベランダに出てずっとゆらゆら揺れていました。

 

そうしている間はスヤスヤ眠ってくれたから。

 

朝の5時から7時の間は、いち姫の熟睡タイム。

 

だからその間は私もようやくゆっくりできました。

 

ただし、いち姫を抱いてベッドに座ったままという条件付き。

 

いち姫をベッドに横たえると必ず背中スイッチが作動して泣いたからです。

 

添い乳ですら無理でした。

 

家族といち姫を眠らせる為に、自分を犠牲にするしかありませんでした。

 

じゃないと自称睡眠障害の旦那が寝不足や寝不足やと騒いでうるさいからです。

 

おかげで毎日の平均睡眠時間は2時間ほど。

 

いち姫が生後4ヶ月になるまでそんな生活が続きました。

 

生後2ヶ月になった頃、だんだん産後ハイだけではどうしようもなくなってきました。

 

体が限界になって来たのです。

 

フラフラで毎日なんとか生きていたそんな時、いち姫を可愛いと思えなくなった自分に気付きました。

 

口では可愛い可愛いといち姫と自分に言い聞かせてるけど、ちっとも可愛いくない。

 

あれ?なんで?

 

可愛いと思う余裕がなかった。

 

そして頭の中で声がしました。

 

「死ねばいい」

 

紛れもなく自分の声。

 

あまりの恐ろしさにハッとしました。

 

誰に?誰に死ねばいいとか思ってんの、私は?まさかこの子に?会いたくて会いたくてたまらなかった、やっと生まれて来てくれたこの子に?

 

まさかまさかまさかまさかまさか!

 

恐ろしくて恐ろしくて、いち姫を抱きしめました。

 

自分の中に悪魔がいる!どうしよう!

 

あかん。引っ張られたらあかん!

しっかり、しっかりしよう!

 

恐ろしい声を必死で打ち消しました。

 

次に来たのは激しい睡魔。

 

あぁ眠い。寝たい。寝たい寝たい寝たい。

 

両親も旦那も皆んな仕事で誰もいない。

誰も頼れない。

 

泣き続けるいち姫。

 

気分転換に外に出よう。

 

2人になっちゃいけない。

 

気付いたら、マンションの最上階にいました。

 

ふと下を見ると地面に吸い込まれそうになりました。

 

あぁ、今このまま吸い込まれたら、ずーっと眠れるなー。

 

寝たいなー。

この子と一緒にずーっと寝ていたいなー。

 

あ、ダメだ。

 

また悪魔が現れた。

 

負けるもんか。負けるもんか。お前なんかに、

 

 

負けるもんか!!!

 

 

ほんの少しの理性でなんとか思いとどまりました。

 

それからはピタリと恐ろしい声は聞こえなくなりましたが、すぐに泣いたり叫んだり自分の髪をむしろうとしたりして、両親にめちゃくちゃ心配かけました。

 

もう自分が自分じゃないみたい。

 

自分は絶対うつとかノイローゼとかとは無縁だと思ってました。

 

だってポジティブだから。

 

ポジティブ寄りのネガティブだから(どっちやねん)

 

ずっと、可愛い子どもを授かったのに育児ノイローゼなる人とか産後うつになる人ってよっぽど神経質なんやろうなって思ってた。

 

だけど違った。

 

私は神経質じゃない。それほどは。

私は孤独じゃない。いつも家族が側にいる。

 

なのに、あれはきっと、軽度の鬱でした。

 

全くの別人でした。

 

今では考えられないほどのネガティブな思考回路してました。

全てにおいて。

 

睡眠不足。

 

ただそれだけで、それまで形成されたという人格がめちゃくちゃになりました。

 

ただ、ゆっくり寝たかった。

 

寝かせて欲しかった。

 

 

そんなある日、姑や旦那の親戚に会った時に「赤ちゃんよく泣くんですよ〜」と一言言ったらこっぴどく怒られました。

 

私が。姑と親戚に。

 

なんでやねん。

 

「アンタが神経質やから子どもが泣くんや。ずっと抱いてるからアカンのや。なんやその目は?なんか文句あんのか」

 

などなど20分間説教されました。

 

腹立つ!!

 

隣にいたアホ旦那は嫁を庇いもせずに言いました。

 

「おかげで俺も寝不足や。辛い。」

 

当時は意識が朦朧としていて何も言い返せずに、ただ睨み返す事しかできませんでした。

 

何を言えばいいのかわからなかった。

 

私のせいなのか?そうなのか?

私が母親じゃなかったら、この子はこんなに泣かなかったのか?

 

ダメだ。何も考えられない。

 

その夜は悔しくて悲しくて涙が溢れて眠れませんでした。

 

 

そして目覚めた翌朝、私の中のが覚醒したのです。

 

 

鬼嫁誕生の瞬間でした。

 

 

ここから我が家は、怒涛の産後クライシスライフに突入したのです。

 

 

おわり。

 

 

〜追記〜

 

私は産後、決して孤独ではありませんでした。

とても恵まれた環境にいたにも関わらず、気が狂いそうになりました。

 

このコロナ禍で誰にも頼れず孤独に出産育児されてる方は多いと思います。

 

それがどれほど辛く大変な事か。想像を絶します。考えただけで心配になります。

 

どうか、どうか、辛い時は誰かを頼って欲しい。

私はそれができずに苦しみましたが、助けを求める事は親の立派な、大事な務めだと思います。

 

どうか、無事にコロナ禍を乗り切れますように。

 

 

長い話しを聞いて頂きありがとうございました。

 

 

 

 

不妊症と流産に泣いた日々②

不妊症と流産に泣いた日々① - うちのくだらない話

⬆️の続きです。

 

医師「どう?なんで子ども欲しいの?」

 

黙り込む私に医師は再度尋ねました。

 

私「欲しいからです。理由は…無いです。ただ子どもが欲しい。産みたい。その気持ちが抑えられなくてどうしようもない感じです。本能…ですかね?」

 

なんちゅう答えや。

 

本能とか言うな恥ずかしい。

 

だけどこれ以上の答えが出せませんでした。

 

私はただ、母親になりたい。

自分は母親になる為に生まれて来たのだとずっと信じて来たのだから。

 

子育ては大変だって聞くけれど、私ならきっと上手くこなせる。

 

私だったら、ずっと笑顔の素晴らしい母親になれる。

 

妊娠さえできれば。子どもさえ生まれれば。

後は育てるだけ。

夢にまで見た我が子との毎日は楽しいに決まってる。幸せに決まってる。  

 

これほど子どもを熱望している私なら明るい家庭を作れるに決まってる。

 

医師「大変だよ。子どもって。見てるだけなら可愛いんだよ。だけど育てるとなったら話は別なんだよ。」

 

 

私「大丈夫です。私はきっと子育てが大変だなんて思わないです。子どもがいない苦しみとは比べ物にならないと思います。」

 

 

医師「…いいでしょう。それでは検査して治療を始めていきましょう。」

 

 

その後の検査で、プロラクチン値は正常範囲内に治ってるし、排卵もちゃんとしてる。

生理が2週間続く原因はわからないけれど、きっと大丈夫だよ、と言って頂きました。

 

医師「でもまぁ、2年近く妊娠してないわけだから、とりあえず薬を処方します。これで調子良ければ妊娠するし、しなくてもまた次にステップアップしたらいいだけだから、肩肘張らず楽しく行きましょう。」

 

どこまでも明るいこの医師に当時の私は心底救われました。

 

 

処方されたのはクロミッドという排卵誘発剤です。

 

これを飲んだ3日後に高熱と目眩でフラフラになりました。

 

まさかクロミッドの副作用かな?

 

不安になった私は病院に問い合わせてみました。

 

すると電話口の医師はぶっきらぼうに言いました。

 

医師「クロミッドでそんな副作用はないです。」

 

副作用じゃないと言われ安心したものの、別人のような医師の対応に困惑しました。

 

あ、でもな、忙しいのにわざわざ電話かけてこられたらイライラするよな。

 

そう思って気にしないようにしました。

 

そして次の診察日。

 

必ず持参するように言われた基礎体温表を忘れてしまいました。

 

どこまでもバカ。

 

医師「え!?基礎体温表忘れたの!?そんなんじゃ診察なんてできないよ。どうすんの?ちゃんと持って来てよ。」

 

私「すみません!次はちゃんと持って来ます。」

 

医師「頼むよ。とりあえず排卵の様子だけ見たいから内診しますから。」

 

私「はい。」

 

医師「排卵はちゃんとしてる。薬が効いてる。副作用って疑ってたけどそんなわけないから。」

 

医師は、処方された薬の副作用を疑い、基礎体温表を忘れたどこまでもマヌケな私に怒っていました。

 

その日は一度も笑う事も目を合わせてくれる事もなく、ピリピリした雰囲気だった医師。そのあまりの態度の違いにとても不安になりました。

 

悪いのは私だ。だから文句は言えない。だけどこんな変な緊張感の中で治療したくないな。

 

そう思うと、病院に行くのが嫌になりました。

 

その矢先です。

 

胸が張って痛くてたまらなくなりました。

 

あれ、今度こそ薬のせいかな。

怒られたらこわいから黙っておこう。

 

次は基礎体温の高温期が続きました。ずっと身体がぽかぽかして微熱があるようでした。

 

あれ?まさか。

 

そして無性に三ツ矢サイダーが飲みたくなりました。

 

これは…?

 

 

待てど暮らせど生理が来ません。

 

 

妊娠だ!!やった!妊娠した!!

 

 

嬉しくて嬉しくて、急いで検査薬を買いに行きました。

 

結果は陽性。

 

待ち焦がれた瞬間です。

 

 

やった!やった!やった!やったー!!

 

 

嬉しくて嬉しくて、ずっと検査薬を眺めてました。

 

これでやっとお母さんになれる。

 

喜んだ私は、クリニックに電話しました。

 

私「陽性反応が出ました。診察日は前倒して頂けませんか?」

 

すると電話口の受付の人が先生に相談に行ってくれて先生の言葉をそのまま伝えてくれました。

 

受付の人「妊娠されたなら産婦人科に行ってくださいとの事です。」

 

 

良かった!

ちょうど不信感でいっぱいだったので、産むならここ!と決めていた地元で人気の産婦人科に駆け込みました。

 

先生「妊娠してますね。おめでとうございます。次は心拍見たいからまた来てね。」

 

言われたのはこれだけでした。

 

それから3日後、出血が始まりました。

 

え?妊娠したのに、何で?

 

お腹に張りもあります。

 

まさか流産?

 

泣きそうになって急いで病院に電話しました。

 

病院「すぐに来てください。」

 

先生「流産ですね。これから出血量と痛みは増えるでしょうが、自然流産なので特に処置も薬もありませんので」

 

その日の担当医は、いちばん最初に不妊症だと冷たく言い放った、あの先生でした。

 

相変わらずの冷たさでした。

 

 

呆然として待合室に戻る私を、看護師さんが追いかけて来て慰めてくれました。

 

看護師さん「大丈夫だからね。次にまた妊娠できるから大丈夫だから、気を落とさないでね。あなたは悪くないんだよ。」

 

口を開いたら涙が溢れ落ちそうで、無言で頷くのが精一杯でした。

 

優しくしないで。

 

そんなに優しい言葉を言われると、甘えて泣き叫んでしまいそう。

 

どうか優しくしないでください。

 

そう思ってしまいました。

 

こういう時は、冷たくされる方が涙も引っ込むのかもしれない。

妊婦さんでごった返す中で、お腹ペタンコな私(当時体重50キロ)が泣いてたら、流産したってすぐにバレる。

かわいそうーって思われたくない。

 

だから、ひたすら俯いていました。

 

だけど止まらないんです。

堪えても堪えても涙も下からの出血もお腹の張りも痛みも。

 

あぁ赤ちゃん。お願いお願いお願い!!ママのお腹にしがみついてて!!お願いやから!絶対大事にするから!絶対守るから!絶対離さないから!だからお願い行かんといて!!ママから離れんといて!お願いお願いお願い!!

 

 

ママを置いて行かないでー!!

 

その時、悲しみのあまり幻が見えました。

 

待合室の床に浮かび上がるニッコリ笑う女の子。

 

「大丈夫だよ。すぐに戻ってくるよ。そしたらずっと離れないからね。」

 

そんな声が聞こえた気がしました。

 

相当ヤバいヤツやんと思いますが、それほどの悲しみでした。

 

女の子は優しく笑って消えて行きました。

 

 

あぁ消えないで。ママを置いて行かないで。

 

 

家に帰ると、痛みは更に増しました。

 

骨盤を左右から引っ張られるような引き剥がされるような痛みでした。

 

その痛みはお腹の子が旅立つ痛み。

たまらなく苦しかった。

 

辛くて辛くてたまりませんでした。

 

流産の後は空を見上げては泣いていました。

馬鹿みたいにお酒を飲んでは酔い潰れていました。

 

不妊治療をしようという勇気と気力が出ませんでした。

 

痛いだろう。辛いだろう。また先生に怒られるだろう。

 

だから嫌だ。

 

治療する勇気が無いなんて母親失格だ。

私はそこまでの覚悟ができてないんだ。

だから母親になる資格なんてない。

こんな頑張れないヤツ、母親になれるワケない。

 

自暴自棄になった私を救ってくれたのは当時2歳だった姪のこめ子でした。

 

この子がいるからいいや。この子の為に、笑って生きよう。

 

いつか空であの子に会える日まで。

 

半年ほど、そうやって悲劇のヒロインぶっていました。

 

そして、半年後、また妊娠しました。

 

ただでさえ流産が怖いのに、初期は微量の出血

が続いて恐ろしくてたまりませんでした。

 

また流産したらどうしよう。

 

ビクビクしながらようやく後期を迎えても、まだまだ安心できませんでした。

 

予定日が過ぎた頃、また出血しました。

急いで病院に行くと問題ないと帰されましたが、翌朝痛みでまた病院に行きました。

 

調べると、お腹の子の心拍低下が判明し、緊急帝王切開する事になりました。

 

そうしてやっと、やっと我が子を、いち姫を胸に抱く事ができました。

 

やっと、お母さんになれました。

 

が。

 

喜びも束の間。

 

出産さえできれば後は夢のように幸せな生活が始まるのだと思ってたかつての私は、現実を叩きつけられました。

 

クリニックの医師の話しは本当だった。

育児は大変すぎる。

辛過ぎて全然笑顔になれない。

素晴らしい母親って何?明るい家庭って何?

もう全部、ボロボロなんやけど…

 

そうして山あり谷ありフラフラになりながらもなんとか家庭を築き上げ、いち姫が4歳になった頃、また妊娠しました。

いち姫が教えてくれたのです。

 

いち姫「ママ、お腹に赤ちゃんいるよ。」と。

 

 

そして胎嚢が確認できた後、またいち姫が言いました。

 

いち姫「ママ、赤ちゃん、死んだ。」と。

 

また流産でした。

 

その時はいち姫を出産したのとは別の近くの総合病院だったのですが、そこの先生が優しい人で、親身になって慰めてくれました。

 

「流産はあなたのせいじゃないです。胎児側に原因があるので、決して母体のせいではありません。だからご自分を責めないようにしてください。ご家族にもそうお伝えください。不幸中の幸いで自然流産ですから、手術は必要ありません。2ヶ月置いてからまた妊娠が可能になります。大丈夫ですからね。あなたは決して悪くない。悪くないですからね。」

 

この時はもう、我慢できずにブワっと泣いてしまいました。

 

鼻水も涙も一気にブワっと撒き散らしてしまいました。

 

診察室で。先生の前で。

 

汚いな。

 

 

ティッシュ持って来て!!」

 

先生が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった私の顔を気遣って看護師さんに頼んでくれていました。

 

待合室に戻ってもヒクヒクしゃくり上げて泣いてしまいました。

 

いい歳して、子どもみたいに。

 

周りは妊婦さんばっかりなんだから、不安を煽ったらダメなのに止まりませんでした。

 

心配した看護師さんが別室へ案内してくれようとしましたが、一刻も早く帰りたくてお断りしました。

 

泣きながら帰って、旦那と待っていたいち姫を抱きしめました。

 

良かった。この子がいてくれて。本当に良かった。

 

するといち姫が言いました。

 

いち姫「ママ、泣かないで。赤ちゃんまた戻ってくるよ。11月に。男の子だよ。」

 

そうして、11月が最終生理となり、翌月妊娠が判明しました。

 

 

生まれたのは元気な男の子、二太郎でした。

 

 

 

最初の子を授かるまで3年近く、次の子を授かるまで4年。そして2回の流産でたくさん泣きました。他の方に比べたら本当に短期間ですが本当に苦しかった。

 

うちの旦那の姉は妊娠するまで8年。

うちの知り合いの女性は10年泣き暮らしていました。

 

不妊症も流産も珍しい話じゃない。

泣いてる人はたくさんいる。

 

私は自分の子ども達に泣き暮らしてほしくない。

 

だから今から言っています。

 

赤ちゃんを授かるのは奇跡なんだと。当たり前じゃないんだと。

 

子どもを授からないとかわいそうという世間の目が消えればいいのに。

 

特別養子縁組がもっとポピュラーになればいいのに。

 

不妊治療がもっと身体的にも経済的にも優しくなればいいのに。

 

たくさん色んな事を考えますが…

 

せめて自分が何気ない言動で誰かを傷付ける事がないように、細心の注意を払っていこうと思います。

 

 

長い話しを最後まで見て頂きありがとうございました。

 

 

不妊症と流産に泣いた日々①

どうも。ドラ母です。

 

小学生の頃から、私の夢は決まっていました。

 

お母さんになりたい。

ただ、それだけ。

 

女の子でも男の子でもいい。

1人でも2人でもいい。

 

私のお腹に来てくれるなら。

私を選んでくれるなら。

 

いつか白馬の王子様が現れて、私に一目惚れしてくれて、熱烈なプロポーズを受けて、盛大に結婚式を挙げて、大きな家に住んだら、すぐに赤ちゃんが来てくれるのだと思ってました。

 

だって皆んなが言ってたから。

 

女の子は大人になったらお母さんになるのよ、って。

 

女に生まれたら男と結婚して子どもを生むのが当たり前なんだよ、って。

 

私の周りの大人は皆んなそう言ってました。

友達も皆んなそう思ってました。

「大人になったら何人子ども産みたい?」なんて言ってはしゃいでました。

 

学校での性教育では、たった一度のセックスでも妊娠するから気をつけなさい、安易に中絶するのは殺人だと教わりました。

 

誰も、人間が妊娠しにくい生き物なんだって事は言ってくれませんでした。

 

一度の交尾で動物は70%以上の妊娠率なのに対し人間の妊娠率はたったの25%で、年齢が上がるにつれ更に妊娠しにくくなるなんて、誰も教えてくれなかった。

 

私が聞き逃していただけなのかもしれないけれど。

 

だから、妊娠は誰でも簡単にできるものだと思ってました。

 

自分の体がおかしいかもしれないと思い始めたのは、10代後半。

 

順調だった生理周期が狂い始めました。

 

2週間、出血が止まらないのです。

 

やっと止まったと思ったら1週間後からまた出血。

 

痛みも目眩も無く元気なんだけれど何かがおかしい。

 

はじめはストレスのせいにしてやり過ごしていたけどどうもおかしい。

 

異変に気付いて半年経った頃、生理か不正出血かわからないのが不安で地元で人気の産婦人科に行きました。

 

調べてみたら、プロラクチン値が高すぎる、そう言われました。

 

医師「胸の張りはありますか?母乳は出ていませんか?これだけの数値だと出ていてもおかしくない。」

 

プロラクチンとは出産後に増える母乳の分泌を促進するホルモンなんだと、教えてもらいました。

 

けれど私には胸の張りや母乳が出る症状はありませんでした。

 

ただ、ひと月の大半出血しているというだけ。

 

生理が止まった事もなく、逆に多すぎるくらいでした。

 

ひと月の内に出血してない日が3日しかないなんて事もよくありました。

 

色々検査して言われたのは、「生理最終日から排卵までの期間が長すぎる」という事でした。

 

ただ、原因がわからない、と。

プロラクチン値が高いのも原因不明だと。

 

医師「原因はわかりませんが不妊症でしょう。不妊治療をしなければ妊娠は無理でしょうね。」

 

冷たい目で淡々と言われたように感じました。

 

泣いたらバカにされそうで、必死に涙を堪えました。

 

その日は何かわからないけど薬を処方されて帰りました。多分、ホルモンバランスを整える薬だったと思います。

 

医師「この薬で症状が治るわけじゃないですが、色んな薬を試してみましょう。治療は将来結婚されてから始めるのでもいいと思います。妊娠の可能性が低くても妊娠する場合だってありますから。」

 

なんだ。ただの気休めの薬か。

 

あーあ。

 

なんで?

 

出血なんて、病院ですぐに治してもらえると思ってた。

 

まさか不妊症って言われると思ってなかった。

 

あーあ。

 

なんで私が?

 

たった一つの夢やのに。

 

子どもの頃からずっと。ずーっとお母さんになりたかったのに。

 

何でよりによって私が不妊症なん?

 

あーあ。

あーあ。

あーあ…

 

それからは、医師に言われるままに漢方など何種類かの薬を試しましたが、一向に症状は改善しませんでした。

 

副作用で吐き気や目眩の出る薬があったのと、花粉症が酷くそちらの通院もあったので、だんだん病院から足が遠のいて行きました。

 

どうせ治らないなら薬なんて飲んでも意味ないや。

 

結婚したいと思う相手が現れてから考えよう。

 

そう思う事にしました。

 

不妊治療をしていたわけではないのですが、ただ薬を飲んでいただけでかなりメンタルがやられてしまいました。

 

自分の体が空っぽに思えて仕方なかったからです。

 

何の取り柄もない上に子どもも産めないかもしれない。

 

そんな女と結婚したい人なんているのかな。

 

なんて事を考えて落ち込みまくった時期がありました。

 

ちょうどその頃、職場上司の女性が、娘さんの話しをしてくれました。

 

上司「うちの娘は結婚5年目やのに子どもができひんでな。ずっと不妊治療してるんやけど、痛い痛い、辛い辛い言うて見てられへんのや。かわいそうでなぁ。」

 

彼女の話しは他人事とは思えず、自分の事のように胸に重くのしかかりました。

 

上司「そんなに辛い思いしてまでなぁ。かわいそうに。代わってやりたいけど何もしてやれへんのがもどかしくてなぁ。娘はずっと泣き暮らしてるんや…」

 

沈む彼女に、何て声をかけていいのかわからず黙りこんでしまいました。

 

私もきっとそうなるんだろう。

 

だけど不妊治療ってそんなに痛いのか。そんなに辛いのか。

 

注射1本すら嫌いなのに、そんな治療に私は耐えられるんだろうか。

 

考え出したら止まらないので考えるのはやめました。

 

愛する人に出会ってから悩めばいいやんか。

 

 

そうして20代後半に差し掛かったころ、旦那と出会いました。

 

口下手でいつも鼻毛を出してる旦那に男らしさを感じた私は、すぐにメロメロになりました。

 

この人の子どもが欲しい!!

絶対に産みたい!!

早く結婚して妊活に励みたい!!

 

決意した私は何度となく結婚を迫りまくり何度も逃げられそうになりました。

 

愛した男には結婚願望が無かったのです。

 

それでも4年後、めでたく結婚しました。

 

もちろん、自分の体の事も全て話した上で。

 

その頃には、ひと月の出血が2週間程度にまで収まっていたので奇跡を信じていました。

 

きっと妊娠できると信じて。

 

ですが全く妊娠しないまま1年半経った頃には、精神がボロボロになっていました。

 

生理が来る度に落ち込んで、泣いて、浴びるようにお酒を飲みました。

 

妊活にお酒はダメなのに、毎日毎日飲んでいて旦那が呆れる程でした。

 

芸能人の妊娠報道を見るだけで、妊婦さんや赤ちゃんを見るだけで、悲劇のヒロインにでもなったように泣いていました。

 

あー、やっぱりダメなんだ。

私は妊娠できないんだ。

 

見兼ねた父は私を励まそうとして

「大丈夫や。豊臣秀吉のおね様(秀吉の正室)も子どもできひんかったから、お前もおね様みたいになれ。」と謎の言葉をくれました。

 

母は、不妊治療のクリニックに一緒に行こうと連れ出してくれました。

 

悲しむだけで、何も行動せず周りに迷惑かけてた自分と比べ、自ら行動して不妊治療を受けている人達を見ると尊敬の思いしかありません。

 

不妊治療専門クリニックの医師はとても優しい人でした。

 

親身に話しを聞いてたくさん笑わせてくれました。

 

泣きながら笑う私に、思いも寄らない話をしてくれました。

 

医師「大丈夫だから、笑ってたらいいよ。ね?妊娠できるかできないかなんて誰もわかんないし、できなくてもいいんだよ。

妊娠しないのが当たり前なんだよ。奇跡なんだからさ。

だいたいさ、子どもなんて手がかかるだけなのになんで皆んなそんなに欲しがるの?本当に大変だよ、育てるの。楽しくなんてないよ?

妊娠なんてしない方がラッキーかもしれないよ?

僕は皆んなに聞くんだよ。子どもの何がいいの?って。親の自由を全部奪っちゃうだけの存在なのにさ。」

 

 

医師のこの話を聞いた時は、何て事を言うんだこの人は!って思いましたが、言い方がすごく気さくで明るかったせいか、妙に腑に落ち、そしてハッとさせられました。

 

そういえば、私は何でこんなに子どもが欲しいんだろう。

 

愛する人の子どもが欲しいから?

昔からの夢だったから?

 

それとも、

 

女は子どもを生むものと刷り込まれて来たから?

 

はじめて、本当に母になる覚悟があるのかと自問自答した瞬間でした。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

ちょっと長くなり過ぎるので、続きはまた次回書きます。

 

 

おわり。

 

 

 

 

配偶者の呼び方マナーなんかよりもっと気になるあの言葉

どうも。ドラ母です。

 

いつもブログ内でうちの配偶者の事を「旦那」と表記している私ですが、リアルな世界ではなかなか「旦那」呼びに慣れません。

 

家で旦那に話しかける時には「パパ」か、名前で呼びますのでできれば幼稚園ママ達との雑談でも「うちのパパがね〜、うちの○○がね〜」と言ってしまいたいのですが、まぁ、見事に皆んな、「旦那」と呼ぶんですよね。

 

「パパ」とか「夫」とか「主人」とか「ダーリン」とか「マイラブ」とか「旦那くん」とか「旦那さん」って全然耳にしないんです。

 

私の狭小コミュニティ内ではね。

 

なので幼稚園ママ達にはぎこちないながらも「旦那がね〜」なんて、新婚かよってくらいの辿々しさで言ってみてるんですけど、じゃあブログではどうしようか、全国的にはどの呼び方がいちばん印象良く受け入れられるかって悩んでちょっとネットで調べてみたら、やっぱり「旦那」と呼ぶのがメジャーらしいという印象だったんで、私も「旦那」と言わせて頂いてるんですけどね。

 

長いものには黙って巻かれろというのが座右の銘ですので。

 

で、その時にネットで色々書かれていたのが、

 

*「旦那さん」「旦那くん」て呼ぶヤツ気持ち悪い

 

*旦那を「主人」て呼んでる女の人は召使いみたい

 

*「嫁」って言われると男尊女卑を連想する

 

 

とかなんとか色んな意見があるって事を知りました。

 

私自身は妻でも嫁でも奥さんでも、何と呼ばれようが全く気にならないんですが、気になる人って多いみたいですね。

 

それを見てたら、へー、「嫁」って旦那側の親が息子の配偶者を言うときの呼び方なのかー。とか、知らなかった事も勉強になりました。

 

なんか、自分の配偶者を「旦那さん」「旦那くん」て呼んでる人見たら鳥肌立つ人がいるらしいです。面白いですね!

 

私も前は「旦那さん」て言ってた時期がありましたけど、何人くらいブツブツにしてあげられたのかな?

 

あはははは。

 

うーん、私だったらどんな事言われると鳥肌立つかなー。

 

そうですねー。

ただの知り合い程度の女性に「オマエの旦那くん可愛いよね」って言われたら鳥肌が立ちますね。

 

オマエって何やねん。

人の旦那に「くん」って何やねん。

どこが可愛いねん、狙ってんのかってね。

 

色々想像してたら面白くなってどんどん見てたら、さっき「旦那」がメジャーって言いましたけど、一般的には「夫」「妻」呼びがいちばん好印象なんだなという結果に辿り着いてですね。

 

あ、しまったな、と。

 

安易に旦那&嫁で散々書いて来たけど、それを見る度に胸くそ悪くなられた方がいらっしゃったんじゃないかな、と。

 

だからここで謝らせてください。

 

 

 

ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃ!!!

 

 

これは、知る人ぞ知る関西最上級の謝罪方法です。

 

 

で、これからはブログで夫&妻と書くのかと言われれば、ごめんやしておくれやして。

 

書きません。

 

私はそこの呼び方とかは特に気にならないからです。

 

嫁と呼ばれて、あ!男女差別されてる!とか別に思わないからです。

 

人の言葉の揚げ足取って勝手にモヤモヤしてる時間が無駄だと思うからです。

 

ただ、あの言葉にはモヤモヤします。

 

 

「嫁をもらう」

 

 

もらうって何やねん。

 

物ちゃうぞ。となります。

 

将来うちの娘の交際相手が「お嬢さんを僕にください」と言ってきたらぶっ飛ばします。

 

私が。

 

「くださいって何や!うちの娘は物じゃない!もういっぺん1から出直して来い!!」

 

とね。

 

自分だって言葉の揚げ足取ってモヤモヤしてるやろーが!!

 

 

と思われたそこのアナタ。

仰る通りです。

 

「嫁」と言われるのはいいけど「もらう」と言われるのはイヤ。

 

まぁ、ようは、皆んなそれぞれ許せる言葉と許せない言葉が違うよねって話です。

 

だから万人受けなんて狙ってたらメンタルやられちゃいます。

 

特定の誰かを傷付けない限り、あんまり人の言葉に目くじらたてない自分になりたいと思います。

 

 

はぁ!?なんやこの記事は!!今年の抱負か!?

 

 

と思ったそこのアナタ。

ごめんやで。いつものくだらない話です。

 

 

ふー。しょーもな。

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

それでは、また♪

踏んだり蹴ったりな1日

どうも。ドラ母です。

 

昨日も今日も雨だったし、非常事態宣言中だしでこの週末は一歩も家から出ていないんですが、すごく楽しかったです。

 

子どもを太陽の下で遊ばせねばならないという謎の義務感に追い立てられる事なく堂々と家でダラダラできたから。

 

今日は出かける予定だったんですけど色々あって予定が狂いにくるって結局家にいたんです。

 

ダラダラできてエンジン全開!スタミナ満点!

 

なんですが。

 

結構、踏んだり蹴ったりな1日となりました。

 

まぁ、家の中の出来事なんで、大した事じゃあないんですけどね。

 

またいつもの、何の役にも立たないくだらない話なんですが、良ければ聞いてください。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

最近、うちの1歳息子の二太郎が100均で買った"トムとジェリー"のDVDにどハマりしていて毎日毎日そればっかり観てるんですけどね。

 

その中で猫のトムが可愛い雌猫に一目惚れして言いよる場面があって、それを家族で観てましたらね、突然6歳娘のいち姫が言うんです。

 

いち姫「パパもママにこんなんやったんやで。お空では。だからパパはママと結婚しよって決めたんやで。」

 

と。

 

つまり、まだパパとママが生まれるずっと前に天国でパパがママを見つけて一目惚れして結婚を決めた、と言うんです。

 

(うちのいち姫は生まれる前の天国での話が好きなのでよくこういう事を言い出すんですけど、最近のはほぼただの空想だと思います。)

 

 

いち姫「でもさぁ、お空ではな、皆んなが綺麗に光って見えるねん。でも陸に降りてきたらな、普通に汚く見えるから、パパはママに出会って誰か分からんかったらしいで。」

 

つまり、天国では美しく光り輝いて見えた運命の相手が、この世に生まれて来ていざ出会った時には微塵も美しさなど兼ね備えていない汚いヤツだったから出会った時にこれが運命の相手だとわからなかった、という事です。

 

普通に汚いって何。

 

ママは汚い顔が普通って事?

 

朝から散々な言われようでゲンナリしましたが、鏡を見て納得しました。

 

浮腫んだスッピン顔、ボサボサな髪、ガサガサ荒れた唇、何年も着倒したよれよれパジャマ…

 

鏡の中にいたのは、ただの老化だけではない、怠惰による汚いヤツでした。

 

あーあ、眉毛だけでも描いとこ〜。

 

と反省したのも束の間。

 

眉毛すら描くのを忘れてリビングに戻ると、床に牛乳が散りばめられていました。

 

二太郎の仕業です。

 

あらら〜。なんて言いながら這いつくばって布巾で床を掃除していたら、いち姫に呼ばれました。

 

いち姫「ママ、これ見て。」

 

何だったのか忘れましたが、目を離したその隙に、二太郎に牛乳が染みた布巾を奪われました。

 

二太郎はお掃除が大好き。

 

牛乳布巾で床を丁寧に拭いてくれます。

 

ありがとう、と言うと。

 

ニッコリ笑って最後の仕上げに私の顔を拭いてくれました。

 

牛乳布巾で。

 

私の顔がいちばん汚れていたようです。

 

 

いち姫「きゃーははははは!!!」

 

牛乳布巾で顔を拭かれている母を見て大笑いするいち姫。

 

ご機嫌な姉を見て更にご機嫌になる二太郎。

 

2人を見ていると、顔が汚いのなんてすっかり忘れて楽しくなって笑いました。ニカーッと。

 

すると。

 

割れました。

 

下唇の中央が縦にパックリと。

 

痛い痛い!!

 

笑っただけやのに何この痛さは!?

 

血が出るほどに唇が荒れたのなんて久しぶりです。

 

最悪〜。とか思いながら半泣きでリップクリームを塗っていると、なぜだか急によろけて旦那とぶつかり、強打しました。唇を。

 

 

イッターイー!!

 

 

おかげで下唇が腫れました。

 

はぁ〜、もう。何よ、なんて思っていたら、いち姫がお菓子食べたいと言い出しました。

 

すると旦那が、コレどうぞ、とパチパチパニックというお菓子を渡していました。

 

中には小さなラムネとキャンディが入っていて、口に入れると舌の上で炭酸ガスが弾けてパチパチするお菓子です。

 

なんか昔食べたような気がするお菓子だったので、ママもちょうだい、と言って貰いました。

 

ワクワクしながら口の中に放り込むと、パチパチパチパチ!!っとしたのでビックリしてウワッて思わず叫んだら、お尻の穴からもブッと爆音が弾け飛びました。

 

口を抑えながらお尻も抑えている嫁に向かって旦那が爆笑しながら言いました。

 

 

旦那「気持ち悪っ!!

 

 

だよね〜。

 

私は普段、全くオシャレなどしないですが、旦那の前でオナラはしないという厳格なルールを自分で決めてずっとそれを守り抜いて来ました。

 

オナラをしない事が唯一私に残された女らしさでした。

 

それなのに。こんな事で。

 

パチパチラムネ如きの衝撃でルールを破ってしまうとは。

 

はぁ〜、アカンアカン。緩んでる。

 

私の色んな所が干からびて緩んでる。

 

これって母として妻としてどうなんや。

 

アカンやろ。ちゃんとしよう。

 

決意したのも束の間。

 

 

ひょいと二太郎を抱っこした瞬間にまたお尻から弾け飛びました。

 

でも今度の音は小さかったので旦那には聞こえないだろうと安心していたら、二太郎がケラケラ笑いながら言いました。

 

 

二太郎「ブーブー!ブーブー!」

 

最近言葉を話し始めた二太郎は、オナラの音を聞き付けた時だけブーブー言うのです。

 

 

旦那「またやったな?

 

 

3秒でバレました。

 

 

 

アカン。緩みすぎや。

 

 

 

極めつけは夜の寝かしつけ。

 

 

2人が私から離れず、仕方ないから二太郎をおんぶ紐でおんぶして、いち姫を抱っこしてユラユラ揺れながら寝かせていると、お尻が騒ぎ出しました。

 

おんぶ&抱っこで腹に圧が掛かったようです。

 

旦那は別部屋なので安心してお尻を騒がしいままにしていましたが、だんだん笑えて来て声を押し殺して笑っていると、眠りかけていたいち姫が目覚めてしまいました。

 

 

いち姫「ママのお腹がヒクヒクヒクヒクして眠れへん!」

 

ブチ切れのいち姫がようやく眠りについた頃、お尻も静かになりました。

 

 

踏んだり蹴ったりでしたが、なんだか今日は心なしかスッキリした気分で眠れそうです。

 

たくさん笑って楽しい1日となりました。

 

おわり。

 

今日も本気でくだらない話を聞いて頂きありがとうございました。

 

それでは、また♪

 

 

何をどうしていいのかわからない旦那と無駄にイラつく短気な嫁

こんにちは。ドラ母です。

 

旦那歴10年、父親歴6年のうちの旦那は、休みの日には私の後をついて回るコガモと化します。

6歳と1歳の子も漏れなくガーガー言いながらついて回るので、休日の我が家ではカルガモ親子の行進が行われているわけです。

 

子ども達が母に着いて回るのは何とも可愛い光景ですが、なぜに旦那までコガモのように着いて回るかと言いますと、

 

"さっさと用事を済ませて1秒でも早く外出する為に嫁を手伝いたいけど何をしたらいいのかサッパリわからないから嫁が手を付けた家事の中で自分にもできそうな事を探す為"です。

 

長くなりましたが要は、家事を分担して午前中には出発してたくさん子ども達を遊ばせて夕方には夜ご飯と風呂を済ませて8時就寝を狙っているのです。

 

え、まだ長いって?

 

つまりは、夜の自分時間確保の為に朝からキビキビとスケジュールをこなしたいんです。彼は。

 

大切なゲーム時間確保の為に。

 

理由が何であれ、子ども達を20時に就寝させたいという私の希望と一致しているので、旦那が自ら進んで家事育児に協力しようとするその姿勢は大歓迎なのですが、何しろ私は短気嫁。ついついイライラしてしまいます。

 

え、何にイライラするんだこの罰当たりが!って?

 

旦那歴10年、父親歴6年の彼が、未だに休日の朝において出発前に何をどうしていいのかわからない状態でいる事がとてつもなくイライラするんですよ。

 

旦那が自ら考え行動してくれる事と言えばコーヒーを淹れる、ただそれだけです。

 

…って、それだけでは私のイライラが伝わらないと思うので、まずは、我が家の休日の朝のルーティンからお話しますね。

 

①朝起きてすぐにお茶を沸かす。

②1回目の洗濯機を回す

③朝食準備

④子ども達の歯磨き

⑤朝食

⑥2回目洗濯機を回し1回目を干す

⑦上の子ピアノ練習

⑧片付け・身支度

⑨2回目洗濯物を干す

⬇️

出発

 

これだけです。

上の子が生まれてからずっと変わらずこれだけ。

 

昼食を食べてから出かける時もありますが、だいたいこんな感じ。

 

簡単でしょ?

 

私がさっさと起きて全てやり終えてから家族を起こせばいいだけなんですが、休みの日くらいゆっくり寝たいので家族が起きるまで夢の中でくつろいでるんです。

 

(ちなみに今日の夢は私が女優の卵で、同じ事務所の先輩の桐谷美玲さんと比べられ、劣等感に苦しむというリアルな悪夢で全然くつろげませんでした。)

 

子どもがグズっても旦那に任せて用事できるからってついつい安心して夢の中にいるんです。

 

で、子ども達によって嫌々ながらも夢から引っ張り出されて、渋々ルーティンをこなすわけですが、そこで毎回、のそのそ起きて来た旦那が言うんです。

 

「俺がやるからママは自分の用意しておいで

 

って。

 

「そしたら早く出られるやろ?」

 

って。

 

ありがたいお言葉をくれるわけです。

 

別に私はメイクやヘアスタイルに全く時間をかけないので(マスクするからほぼスッピン)、身支度に5分もかからないんですけど、アホのひとつ覚えみたいに毎回言ってくれるんですよ。

 

「俺がやる」って。

 

だから私も、

 

「ありがとう」

 

とお願いするんです。

 

そこまで言ってくれるならお願いして、身支度さっさと済ませて掃除機かけとこうかな、とか、洗濯たたもうかなとか、欲を出して前日に出来なかった家事に取り掛かるんですよね。

 

そしたら私が手をつける家事を全部「俺がやる」つって取り上げてくるんですよ、旦那が。

 

嫁が忙しそうだから分担したいけど、何をしたらいいのかわからなくて気まずいんでしょうね。

 

私も、幼稚園の役員だった時には、何をどうしていいか全くわからず立ち尽くす事がよくあって、他のママにイラつかれるっていう非常事態に陥った事が何度もあるのでその気まずさは痛いほどわかるんですけどね。

 

だけど私からしたらね、旦那には休みの日くらいゆっくり子ども達と遊んであげてほしいだけなんです。

 

そしてその間に伸び伸びと自分のペースで家事をこなしたいだけなんです。

 

なのにただひたすら私の後を追い回して「俺がやる、俺がやる」って言われるとなんか急かされてるみたいでだんだんイライラしてくるんですよ。

 

「いいから子ども達と遊んであげて」

 

って言うと、後追いの激しい1歳をあやすのはハナから諦めて6歳の上の子だけと遊ぶんですよね。

 

まぁ、仕方ないんですけど、ちょっとは子ども2人を同時に喜ばせる術を磨いて欲しいなって思うんです。

 

旦那が家にいる時くらいは自分のペースで家事に集中したいって思うただそれだけなんですけど、それがなかなか上手くいかないんですね。

 

でも、まぁ仕方ないか。色々してくれるし助かるよなって気を取り直して次は上の子のピアノ練習に付き合うんです。1歳児をあやしながら。

 

これがまたなかなか大変なんで、できればピアノ練習中くらいは旦那に後追いボーイの面倒を見て貰いたいんですが、なぜかその間は姿を消すんですよね。旦那が。

 

あ、たくさん家事しなあかんから仕方ないよなって、またまた気を取り直してピアノ練習して、やっと終わって、眠くて超絶不機嫌な1歳児に授乳しながら、さぁ、落ち着いたら出かけようかなって、ふと家の中を見たらですね。

 

 

 

全部終わってないんですよ。

 

 

 

2回分の洗濯干すのも、前日の洗濯物を畳むのも、洗い物も片付けも、掃除機も。全部が中途半端。

 

旦那が私から引き継いだはずの家事が全部途中で終わって家中散らかってるんですよ。

 

何やこれはー!?

家中ぐちゃぐちゃやないかー!!

 

って大声張り上げそうになるのを必死に我慢して我慢して、そして言うんです。

 

 

 

「何やこれはー!?ぐちゃぐちゃやんか!!」

 

 

 

(言うてるやないかい。)

 

 

そしたら旦那が、

 

 

「え、何が?」

 

とか言ってお得意の火に油を注ぐという技を繰り出します。

 

 

「いやいやいやいや。何が?と違うやろ。べちゃべちゃに濡れた洗濯物が干されずに床に散らばってますやん。」

 

 

「あ、忘れてた。」

 

 

「洗い物大量に残ってテーブルの上も大惨事ですやん。」

 

 

「あ、忘れてた。」

 

 

「畳みかけの洗濯物が家中に散乱してますやん。」

 

 

「あ、それは二太郎(1歳息子)の仕業です。」

 

 

 

うるさい!そんな事だけドヤ顔で言うな!

アンタがさっさと畳まへんからやろ!!

 

 

「子どものせいにする気でっか?」

 

 

「いえ、そんな事は…あっ!!チッ!くっそ!」

 

 

 

「何か文句あんの!?」

 

 

「違う違う。城が攻められてる!」

 

 

結局は一旦は旦那に任せた全ての家事を怒り心頭でこなしながらぶつぶつ言う私の小言をおとなしく聞いているかに思われた、彼の視線はスマホに注がれていました。

 

 

 

攻められとけ!!

城なんか炎上してしまえ!!!

 

だったら出すな!

最後までしないんだったら最初から手出すな!

だからイライラしてしまうんや!

 

何で城の事で頭いっぱいやねん!

 

こうして嫁のストレスは解消されぬまま、脂肪となって蓄積されていくのです。

 

 

あぁ、こんな事でイライラしてたらダメだ。

また眉間のシワが深くなるぞ。

子ども達がじっと見てるぞ。

笑おう。笑おう。腹立つけど笑おう。笑ってたら気持ちが落ち着いてくる。

旦那は見るな。視界に入れるな。腹が立つ。

子どもを見よう。あぁ可愛い。癒される。

あぁ…

 

 

 

「晩ごはんは何?」

 

 

何か言うとるわ。無視無視。

 

 

「今日は8時に寝たいからよろしく!戦に備えなアカンから。」

 

 

 

何?戦やと?

 

あー、夫婦合戦の事ね。

 

 

受けて立ちましょう。

 

 

 

おわり。

 

 

今日もくだらない話を聞いて頂きありがとうございました〜♪

 

20年経ってもラブラブな妹カップルに学ぶ夫婦円満の秘訣

どうも。ドラ母です。

 

うちの妹夫婦は付き合い始めてから22年経った今でもずーっとラブラブです。

 

お互い初恋の相手なんじゃないのかな。多分。

 

しかもほとんどケンカもしないんですよ。

信じられませんよね。

 

私と旦那は交際期間も含めてまだ14年くらいなんですけど円満とは程遠く、毎日が綱渡りみたいなスリルでいっぱいです。

 

うちの両親なんか綱渡りどころか糸渡りみたいな、あっ!死ぬ!落ちる!進めへん!みたいな、とんでもないスリルの中ずっと過ごして来てるんで、見ていて疲れます。

 

よくまぁ、糸が切れずにいらっしゃった事で。

 

だから両親や姉夫婦など全く参考にする事なくラブラブ関係を維持している妹夫婦って本当にすごいなと感心するわけです。

 

まあ、それもね、2人を見ていると納得なんですけどね。

 

それというのも2人はね、異世界にいるんです。

 

異世界

そこは現実世界からかけ離れた愛の世界。

周り一面、お花畑。

目に入る全ての風景が美しく輝いて見える。

雑草はバラに、砂は砂金に、石ころはダイヤに見える不思議な世界。

そこにいるのは、愛する人だけ。

 

そんな2人が織りなすのは、世にも奇妙な物語。。。

 

あれは、そう、2人が付き合い始めてまだ間もない高校生だった頃…

 

妹(トロ子)「お姉ちゃん、私、最近すごく困ってねん。彼氏の事で。聞いてくれる?」

 

私「何?彼氏がどうしたん?」

 

恋愛経験などほぼ無いくせに妹の恋愛相談に乗ってあげる優しい姉。

 

妹「2人でデートしてたらね、彼氏がずっと私を褒めるの。可愛い可愛いって。」

 

なんやねん。ただの自慢かよ。

 

…可愛い…か?

 

私「良かったやん。恋は盲目って言うからな。素直に喜んどいたらいいやんか。そんな事言ってくれる人滅多にいいひんのやから。」

 

自分の顔を棚に上げて言う姉。

 

妹「全然良くないねん。周りに人がいてもお構いなしに可愛い可愛い言うねん。」

 

うわ〜。きっつー。

 

私「あー、それは嫌やな。"え、何あのバカップル。全然可愛いくないやん。"とか言われるもんな〜。」

 

自分の顔を棚に上げ過ぎな姉。

 

妹「しかもそれだけじゃないねん。羽根が生えてるとか言うねん。」

 

私「羽根?」

 

え、何??

 

妹「彼氏がね、『トロ子、今日も可愛いよ。すごく可愛い。天使みたい。あ、見て。背中に羽根生えてるで。本物の天使やったん!?』とか言うねん。」

 

 

 

はぁー!?

 

今の何?聞き間違い?

 

私「え、何が?」

 

妹「だからね、彼氏が私にメロメロ過ぎて天使に見えるって言うねん。人前で。

 

 

天使やと!?

 

どこがやねん。

どっちかっつったら悪魔やろ。

 

 

妹「ほんまに嫌やねん。恥ずかし過ぎて。」

 

そりゃ嫌やろうな。

公開処刑以外の何物でもないからな。

 

本当にお気の毒〜。って言おうと妹の顔を見たら、

 

 

めっちゃニヤついてました。

 

 

私「嫌や嫌や言いながら喜んでるやん!」

 

カップルか。

 

妹「ニヤついてへんしー。元からこんな顔なんやしー。もーう!」

 

ぶりっ子か。

 

気持ち悪いな。

 

勘弁してよ、もーう!

 

妹「ほんまにどうしよう〜。」

 

はいはい。

勝手にノロケててください。

 

しかしヘンな彼氏やな。妹レベル(何様)を天使呼ばわりするとは。

 

恋は盲目って本当なんやな。

 

うん?待てよ。

 

って事は、もしかして。

 

私も彼氏できたら天使とか女神とか言われるのかもな。

 

ふーん。

 

いいやーん。

 

楽しみにしとこ。

 

 

妹「お姉ちゃんこそ何ニヤついてるん?」

 

私「いや別に。」

 

 

大変悲しい事に、これまでの人生において、私を天使や女神呼ばわりしてくれる男性は現れていません。今のところ。

 

後に妹の夫となるこの彼氏には「トロ子はこんなに可愛いのに、お姉ちゃんは1ミリも魅力が無いね。」と陰で酷評されていました。

 

 

見る目無いな。

 

 

そして時が流れ、めでたく結婚した妹夫婦。

 

子どもが産まれてからもずっとラブラブでした。

 

妹「お姉ちゃんも早く結婚した方がいいよ。結婚て最高!旦那さんはカッコイイし、子どもは可愛いし。幸せやわ〜。」

 

…カッコイイ…か?

 

私「同じ人と長い間一緒にいて飽きひんもんなん?」

 

妹「飽きるワケないやん!もう次から次へと好きなとこ発見するんよ。うちの旦那さんは特別やと思うけど。」

 

…そうか?

 

妹「はぁ〜。もううちの旦那さんて、そっくりやと思わへん?あの人に。」

 

私「誰に?」

 

 

 

レオナルド・ディカプリオ

 

 

 

 

アホちゃう?

 

 

天使だのディカプリオだの、勘弁してほんまに。

 

もうほんまに大丈夫?

 

お互いの真実の姿(外見)が全然見えてないやん。

 

現実が歪んでしまってるやん。

 

側から見たら悪魔と西郷どんや。

 

全然違うやんか。ほんまに。もーう!

 

それにさ、ディカプリオはやめて。

ディカプリオだけはやめて。ほんまに。

 

なんでって、

 

私「ディカプリオに似てるのはうちの彼氏(今の旦那)や。」

 

当時、私と旦那は付き合い始めて1年程経ったところで、ゾッコンでした。

私が。旦那に。

 

妹「あーははは!今、なんて?お姉ちゃん今なんて?お姉ちゃんの彼氏がディカプリオに似てるって?そんなワケないやん!全然似てないやんか!!アホちゃう?」

 

私「アホはそっちやん!うちの彼氏の方が鼻高いし!」

 

妹「うちの旦那さんの方が背高いし!」

 

アホ姉妹の不毛な争いに終止符を打ったのは母でした。

 

 

母「どっちもディカプリオじゃない!どう見ても日本人や!」

 

 

ですよね。

 

 

確かに2人とも、生粋の日本顔です。

 

 

ようやく我に返ったアホ姉妹。自分達の愛する人がレオナルドディカプリオに見える現象は未だ続いていますが母には内緒です。

 

 

そして更に時が流れて、私が母になった頃。

 

うちの実家で集まってよく食事をしていたのですが、チラチラチラチラ私の動向を監視してくるようになったんですよ。妹の旦那さん(義弟)が。

 

そして、うちの母が手塩に掛けて作ったご馳走の数々を必ず妹の皿に取り分けて入れるんです。真っ先に。

 

義弟「トロ子。早く食べな全部無くなるで。ほらお食べ。もっと入れとこうか?どんどん減ってるから…」

 

とかなんとか言いながら。

 

チラチラチラチラ私の箸の行方を追いながら。

 

 

 

あのー。小声のつもりかもしれんけど。

 

 

 

聞こえてるからな?

 

 

確かに私は太りました。

 

産後は体重も食欲も食べるスピードもそれまでよりかなりアップしました。確かにね。

 

でもだからって、皆んなで食べる料理を1人で平らげるワケないやんか。

 

そんな非常識な事するワケないやんか。

 

いくらデブでもそれは偏見ってもんでっせ。

 

何でもスローペースな妹を気遣う義弟。

 

「トロすけ君、ありがとう〜♡優しい〜♡トロすけ君もいっぱい食べてね〜♡お皿に入れようかー?う〜ん?」自分の旦那に過剰に感謝し過剰に気遣う妹。

 

対して私達夫婦は、自分の口に放り込むので精一杯。微塵も相手の皿の状態を確認しません。

 

私「あれ、最後に食べようと取って置いた肉が無い!え!?何で!?お箸も無い!あ!ちょっとパパ!?それ私のお箸やんか!!」

 

旦那「え、マジで?ほんまや。俺の箸どこ!?」

 

私「知らんわ!!ちょっとー!肉も食べたんちゃうの!?」

 

旦那「あ、テーブルの下に落ちてたわ、箸。え、肉?知らんで?」

 

私「じゃあその口の中にあるのは何!?」

 

旦那「…肉…です。」

 

私「何で私がちょっと席外してる間にお箸も肉も取ってるねん!!」 

 

旦那「いや、何でやろ?わからん。何が起きたん?」

 

私「知らんわ!腹立つー!」

 

何この差。

 

旦那達の嫁の扱いの差。

 

5ミリ程の顔面偏差値の差か?私と妹の。(妹の方が5ミリ上)

 

いったいどうしてうちの旦那は義弟のように嫁を思いやってはくれないのか。

 

 

妹「お姉ちゃんのせいやんか。」

 

私達夫婦のやり取りを見ていた妹が言いました。

 

妹「まずはお姉ちゃんが旦那さんを敬って思い遣るって事しないからやんか。」

 

私「敬ってるやん。」

 

妹「全然敬ってないやん。子ども産んでからいつもキツいし偉そうやし。肉だって間違えて食べただけなんやからいいやんか。」

 

嬉しそうにニヤニヤしながら聞き耳を立てているうちの旦那。

 

その横にはドン引きした冷たい視線を投げ付けてくる義弟。

 

確かに肉を取られたくらいでそんなに怒る事じゃないけどね。

 

目の前で異空間にいる人達のやり取りを見せ付けられた後では腹が立ってしまったんですよ。

 

妹「お姉ちゃんはね、女を捨てすぎてる。欲望のままに食べて寝て太って。そんなんじゃいつか旦那さんに逃げられるよ。私はちゃんと努力してるもん。ね?トロすけ君?」

 

義弟「うん♡トロ子は頑張ってるね♡」

 

妹「だってトロすけ君が頑張ってくれるから♡お姉ちゃん、トロすけ君すごいねん。残業で遅くなっても、部屋が散らかってたら片付けて洗い物してお風呂も洗ってくれるの♡

朝は洗濯物を全部干してから仕事に行ってくれるの♡休みの日はずっと子どもと遊んでくれるもんね♡誕生日とかクリスマスにはアクセサリーくれるし♡」

 

すごいな。そこはパラダイスか。

 

そこまでして貰えたらそりゃ敬えるわな。

 

目からハート出るわな。

 

行きたい。私も行きたい。

 

義弟「そんなん当たり前やん♡トロ子はもっと頑張ってくれてるから。

大事な子どもを一生懸命育ててくれてるから、それくらいの事いくらでもできる♡」

 

 

義姉である私への態度はさて置き、義弟は、

 

旦那の鑑やな。

 

 

ちょっと!今の話聞いてた?とうちの旦那を探すも見当たりません。

 

耳を澄ませばトイレから、うなり声。

 

なんてタイミングや。逃げたな?

 

都合が悪くなると必ずトイレに駆け込むうちの旦那。

 

義弟の風上にも置けません。

 

妹「やっぱり私が常に綺麗にしてるから大事にしたくなるんやろうね。」

 

はい?

 

…まぁ、でもまぁ、確かに、妹は結婚してから綺麗になりました。

 

ダイエットしてオシャレして身のこなしも美しくなりました。

 

そりゃなるわな。

 

家でずっと天使や女神や羽根生えてるわばっかり言われてたらな。

 

勘違いして自分を磨いてるうちに確かに綺麗になったよな。

 

勘違いも思い込みも美容には必要なんですね。

 

私も勘違いしたいものです。

 

そして妹夫婦のように異空間で彷徨いたい。

愛する人と。

 

旦那「なぁなぁ、なんかさ、ママってさ、髪の毛下ろしてたら武田鉄矢(@金八先生)に似てるよなー。言われた事ない?」

 

 

ないわ。

どんな目してんねん。

 

 

ちょっと長かったですが、私が妹カップルから学んだ夫婦円満の秘訣はと言うとですね、

 

 

 

愛する人と一緒に異世界に行って、世にも奇妙な物語を織りなせるかどうか。

 

 

です。

 

 

 

ちなみにうちは無理でした。

 

私のせいじゃありません。相手を間違えました。

 

ギブアップ。

 

 

ふー。今日も長ったらしいくだらない話を聞いて頂きありがとうございました。

 

それでは、また♪