子どもを全力で守り抜くと誓ったのに頑張る路線が違うアホ親
どうも。ドラ母です。
長女いち姫が生まれた時、私は誓いました。
必ずこの子を守り抜くと。
一歩外に出れば車や変質者から身を挺して守るなんて当たり前。身の周りに危険が迫っていないか要人のSPばりに瞳をギラつかせ、いつでも逃げられるよう脳内シミュレーション。
必要とあらば応戦できるよう折り畳み傘を常にリュックに忍ばせ、いざという時は剣代わり。
細菌やウィルスから守るべく特に冬は散歩以外は外出せず出ても近所のスーパーのみ。おかげで家族からいち姫はラプンツェル、私はゴーテル呼ばわり。
離乳食を食べるようになってからは毒味をかかさず、自分で作った物も市販のベビーフードも実家や義実家からの差し入れも全て私が先に食べ、腐っていないか毒や異物が混ざっていないか入念にチェック。
しかし小さな子どもが口にするのは、何も食べ物や飲み物だけではありません。
お風呂に入っていると間違って湯船のお湯がいち姫の口に入ってしまう事がよくありました。
そんな時、私はどうしたでしょうか。
飲みました。湯船のお湯を。
湯船には恐ろしい数の菌がウヨウヨいるらしいです。
「お風呂が沸きました。汚れも沸きました。」でお馴染みのあのCM(ジャバ…だったかな?)で言ってましたから。
そんな汚れだらけのお湯が数滴、可愛いいち姫の口に…
もしこれでいち姫がお腹壊したらどうしよう。
耐えられない。
そうだ。私も飲もう。
計算は苦手だけど、いち姫の小さな体に対する数滴は私のデカい体にはきっと…10口くらいかな?いち姫には見えないように一気にいこう。
ごくごくごくごくごくごくごくごくごくごく。
よし!10口飲めた。任務完了。
なんでわざわざ飲むのかって?
万が一、湯船のお湯を摂取後すぐにいち姫の体調が悪くなったら病院に行くでしょ。その時に説明しやすいようにです。
「お風呂のお湯が娘の口に入ったんです。体調不良はそのせいでしょうか。私も飲んでみたんですが今のところ体調は良いので原因は他にあるかもしれませんが、どうでしょう。」
このように自分を比較材料にする為です。
万が一いち姫が毒を飲んでしまったら迷わず私も毒を飲む。それと同じです。
そこまでするならジャバしとけって?
そうですね。今なら私もそう思います。
それから少し成長した、いち姫。フードコートやレストランでの食事中によくナゲットや唐揚げなどをポロリと落としていました。食べ物が散らばっている汚い床に。落ちるや否や猿のようにすばしっこくテーブルの下に入り込みナゲットを口の中に放り込むいち姫。
阻止しようとするも巨尻がつっかえ間に合わずバイキンに汚染されたナゲットを嬉しそうに食べる娘をただただ茫然と見守るしかできない私。
そんな時、私はどうしたでしょうか。
食べました。わざと落としたナゲットを。
もちろん、いち姫の目を盗んで。
汚い床にわざとナゲットを落として光速で食べました。3個。
痩せた幼児と頑丈な母がレストランのテーブルの下でナゲットを拾って食べている…
そんなゾッとする光景を目撃した人がいるかもしれません。
でもいいんです。
お腹を壊すなら、一緒に壊したい。
そこまでするなら外食するなって?
ごもっともです。欲に負けてこんな体になりました。
そして、またある日の事。
パパのお休みの日におばあちゃん(姑)を誘って綺麗な小川のある緑豊かな広い公園に行きました。
水遊びが大好きないち姫。パパと一緒に大喜びで小川で遊んでいました。
だけど川にはお風呂どころじゃないバイキンがいるはず。
ドラ母「パパ!しっかり見ててね!口や鼻に川の水が入らないように!」
呆れ顔のパパ。神経質な妻を明らかに軽蔑していますがそれでも構いません。
必ず守り抜く。そう誓ったのだから。
姑の話し相手になりながら目だけはいち姫から片時も離さず監視していると、何を思ったか突然いち姫が川の水を口にしました。小さなお手てでひょいとすくって。
ドラ母「あぁぁぁぁーっ!!あぁぁぁぁーっ!川の水飲んだやんか!!パパちゃんと止めてよ!!」
すぐ横に姑がいるのも忘れて旦那に詰め寄る鬼嫁。
パパ「大丈夫やってば、これくらい。神経質すぎんで。」
呆れるパパ。ドン引きする姑。
ドラ母「大丈夫じゃないってば!!あぁ最悪。ほんま最悪。はぁ〜。仕方ないな。」
鬼嫁は覚悟を決めました。さぁ、鬼嫁こと私はこの時、どうしたでしょうか。
もうおわかりですね。
パパ「おい、やめとけよ?」
そうです。
飲みました。川の水を。
大きなお手てで。両手ですくって飲みました。
ごくごくごくごく。
パパ「マジで!?ヤバイ!!やめときーや!!」
ドン引きしながらも必死に止めようとするパパ。気になるのは世間体。嫁の体調ではありません。
息子に同情の眼差しを送る姑。
嫁選び間違えたな、とでも言いたげです。
パパ「ちょっと!まだ飲む気!?」
当たり前です。
川の水ひと口がいち姫の体にどんな影響を及ぼすかわからない。
もう1回くらいいっとこう。
ごくごくごくごくごく。
小川の水をかがみ込んで飲んでいる妻を見下ろしながら旦那は冷たく言い放ちました。
パパ「アホちゃう?マジで引くわ。」
アホで結構。
この際引けるとこまで引いてください。
小川では他のファミリーも水遊びを楽しんでいましたが彼らが私達のやり取りを見ていたかはわかりません。
旦那はチラチラ人目を気にしていましたが他人にどう思われようが私は自分の任務を遂行したまでです。
海へ行っていち姫が海水を飲んだ時も私はいち姫が飲んだ10倍の量の海水を飲みました。あまりの辛さになかなか飲み込めず、やっと飲み込んだ後は強烈な口の乾きと痛みに襲われました。
そこまでするならレジャーに行くなって?
そうですよね。潔癖なのに自然を求めるなんて八方美人極まりないですよね。反省してます。
そして現在。
いち姫は成長しもう何でもかんでも口に入れる年齢ではありません。
が、二太郎は違います。片っ端から口に入れるので目が離せません。
この間もおもちゃのキッチンセットの中から1ヵ月以上前の食べかけのベビービスケットが出て来ました。
見つけるやいなや口に放り込む二太郎。
阻止しようとするも健闘虚しく間に合いませんでした。
誤飲誤食防止の為に掃除だけは頑張ってるのに、まさかこんなところに紛れていたとは…。
食べたい。私も食べたい。
「見ーっけ。」
振り返ると、この日休みだった旦那がもう一枚落ちていた食べかけビスケットを手にニンマリ笑っています。
パクっ。
なんと。食べました。
パパ「大丈夫。俺も食べといたから。安心して。」
夫婦というのは、長く一緒にいると似てくるものなのですね。
こうしてタッグを組み共に闘う決意をしたアホ夫婦。
これからも変わらず子ども達を守り抜く。誓いを胸に今日も瞳をギラつかせています。
今日もくだらない話しを最後まで読んで頂いてありがとうございました。
それではまた明日。