うちのくだらない話

ポジティブに生きたい母の心の叫びを綴るブログ

デブの決意なんてこんなものだから痩せられないんだね

緊急事態宣言が終わって久しぶりに会えた親戚の子に「背中がデカ過ぎる」と言われたあの日、通算265回目のダイエットの決意を固めました。

 

背中に肉が付くって相当でしょ。

 

最近なんか内腿が擦れて歩き辛いな、とか、腕が短くなった感じがして上に挙げ辛いな、埴輪ってこんな気分なんかな、とか薄々自分に起きてる異変に気付いてはいたんですけど背中は知りませんでしたからね。

 

え、背中って太るん!?って。

 

目が合うたびに

「デブスイッチ♪」

などと言いながら私の顔をスイッチのようにポンと押す彼は若干4歳。

 

ケラケラ笑いながらスイッチを押し続けてくれました。

 

「え、おばちゃんの顔全部がデブスイッチなん?」

 

あんまり「デブスイッチ!デブスイッチ!」とうるさいもんだから聞いてみると彼はケラケラ笑いながら答えました。

 

「そうだよ」

 

そうか。そうだったのか。じゃあこれから顔触らんとこ。

 

そう思った瞬間、彼が言いました。  

 

「運動したらいい」

 

え。

 

「運動したらいい。いっぱい走ったら、痩せる」

 

たどたどしい言葉で的確にダイエット方法を指南してくれる彼を、私はこう呼ぶ事にしました。

 

「コーチ!!」

 

それからはコーチの指示に従い小一時間ほどスクワットやらトランポリンやら走るフリやらの運動をして何年ぶりだ?っていう気持ちのいい汗をかきました。  

 

これはいけます、コーチ。

 

このメニューなら痩せられます、コーチ。

 

喜びも束の間。  

 

またもデブスイッチを押されてしまい、一気にやる気をなくしました。

 

運動ってした直後は気分爽快になるけど一旦中断すると二度としたくなくなるものなんですよね、デブにとっては。

 

だって重たいもん(大量の脂肪)背負ってますからね?  

 

デブが運動する時は標準体重の人が10キロの米を担いで走るのと同じくらい、いや、それ以上の負荷がかかってるようなもんなんですから。 

 

誰がそんな苦行を自ら進んでやるんだよって話ですよ。

 

特に、痩せたところで美人になる訳じゃないデブはもう開き直ってますからね。

 

痩せたところでたいして人生変わらへんやろと。

 

顔面偏差値も全く変わらへんやろと。

 

今下手に痩せたら食費を大幅に削り出したなって親に心配かけるだけやろって。

 

いきなり運動し出して心臓止まったらどうするん?

 

…って、ダイエットが産み出すデメリットを無理矢理見つけ出しては運動から逃げているからこそ、だからこそデブからなかなか抜け出せないんです。

 

♪わかっちゃいるけどやめられないんだ

デブライフ

残飯整理にかこつけて

気づけば食べ過ぎデブランチ

ついつい押しちゃうデブスイッチ

 

なんてくだらない歌を作って熱唱していたら、1歳の二太郎に平手打ちされました。

 

最近、うちの愛息子は私が大声で歌うと平手打ちしてきます。真顔で。

 

多分、余計なこと言ってないでさっさと痩せろって事だと思います。

 

が、「痛い!叩いたらアカンやろ!」ってちゃんと怒っておきました。本当は痛くも痒くもなくて可愛いさ100万ボルトですけど躾ですから。

 

怒ったところで口をへの字にして更に殴りかかってくる二太郎に今度は泣き真似作戦です。

 

「痛い痛い!うえーん!うえーん!」

 

泣いてる人にはやたらと優しくなる二太郎は、小さな両手で私の顔を(デカすぎて)包み込めないけど包み込む込むような仕草をして瞳をじっと見つめ、「ギュウー」と言いながら(デカすぎて)抱きしめられないけど抱きしめる仕草をしてくれました。

 

あぁ…可愛さ1000万ボルト… 

 

そんな母と弟のやり取りを横目で見ながら“ざんねんな生き物辞典”という生き物の残念だったり意外な部分を面白くまとめた本を読んでいた7歳のいち姫がニヤニヤしながら言いました。

 

「ブタってな、本当は太ってないらしいで。脂肪と思われてる部分は筋肉らしいで。」

 

「そ、そうなん?」

 

いきなり何の話やねんと思っていたら、

 

「だからママのそれ(脂肪)も筋肉やったんやな。すごいな。全身筋肉だらけやん。すごいやん。」

 

べた褒めされました。

 

「あ、あー、ありがとう。」

 

とっさにお礼を言ってしまいましたけど、よくよく考えたら違いますよね。

 

ママ、人間やから。

 

ブタさんじゃないから。

 

だからこれ(脂肪)は正真正銘の脂肪やから。

 

筋肉なさ過ぎてマシュマロみたいな柔らかさやから。

 

せっかく褒めてくれたのに申し訳ないけれども。

 

何て言おうか戸惑っているところへ旦那が言いました。

 

「良かったやん。それ(脂肪)、筋肉に見えて。」

 

良くないわ。

 

誰も筋肉に見えるなんか言って無いわ。

 

もうちょっとマシなフォローせぇよ、ふざけんなよほんまに。

 

いつでもどんなときでもフォローを間違える旦那に若干イラッとして何か言い返そうとしたら、

 

「別に痩せんでいいやん」

 

とベタ惚れしてんのかって眼差しで言われてしまい、何も言い返せませんでした。

 

どうやらうちの旦那はぽっちゃりレディーがお好みのようです。

 

おかしいな、好みのタイプは北川景子さんのはずだけどな。

 

ストライクゾーンが広がったのかな。

 

不思議に思っていると、「あ、そうだった」と旦那が通勤カバンから何か取り出しました。

 

「またメダカの卵もらったから~」

 

何!?

 

稚魚用だ、成魚用だ、クロレラ用だ水草用だとひとつずつ増やした水槽が4つも狭いベランダに敷き詰められているというのに、まだ増やす気か!?

 

嫁の怒りを背中に感じながらそそくさと新たな水槽の用意をする旦那を睨み付けていたら、いち姫が甘えて抱きついてきました。

 

「ママ~、痛いよ~」

 

痛い?

 

「え、どうしたん?どこが痛いの?」

 

心配する母に、愛らしい瞳をうるうるさせながらいち姫が言いました。

 

「骨。ママの骨が刺さって痛いんだよ~。痩せすぎたよママ。お願いだから、もっと太って。」

 

もっと太って。って。

 

あぁ…可愛さ1億万ボルト…

 

まぁいっか。

 

秋の運動会までに痩せたらいいか。

 

いくら決意を固めてもこうやって家族に甘やかされていたら痩せられないよね、って冷蔵庫のチョコレートを頬張りつつ今日もまたダイエットを先送りにするデブなのでした。

 

大丈夫大丈夫。

秋までには痩せるから。

諦めてはいないから。

 

夏が終わる頃、266回目の決意を固める予定です。

 

おわり